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ミネルヴァの梟は迫り来る黄昏に飛び立つ

そんなコトより街に出て映画でも観ませんか?【2020年下半期のおススメ新作映画特集】

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 マリブの選ぶ2020年下半期期待の新作映画ベスト10

本格女優に脱皮しそうな長澤まさみ主演の『MOTHER』が昨日公開し、ようやく劇場での新作映画がちらほら目につき始めた今日この頃、皆さまいかがお過ごしでしょうか?


暗黙の裡にあっという間に義務化されたマスク着用のおかげで、自分は最近しゃべるのも億劫になってきてしまい、目力だけで相手に気持ちを伝えるトレーニングを、割とまともに始めてみましたw

 

・・もうね、どこかの都知事候補じゃないけど、、

連日続くコロナ報道で、よくわかんない注意喚起ばかり謳うテレビは、、、

正直、だいぶウザイよね。。。

 

やり玉に挙げやすく淫猥な妄想の膨らむホストクラブなんかを、その助成金の支援状況なんかも一切伝えずに、名指しで否定しまくる意味もよくわかんないし、大体、そこに需要があるからこそ供給が生まれているワケで。。

それしかストレスの発散の仕方を知らないヒト達が大勢いる現実を、報道番組顔負けでしっかり伝えてくれるテレビコンテンツは、最近じゃ『月曜から夜更かし』くらいのもので、このそれぞれの価値観と格差の弊害をしっかり認め受け入れないと、煙草、飲酒、風俗だけに留まらず、どんな時世でも賭博や麻薬等の犯罪に走っちゃう人達は、絶対にこの世からいなくなるわけはありません。

 

それとも、エンパシーが完全に欠如した政権におもねて、不器用な僕達彼らをそっくりこの国から追い出してみるつもり?

他人に厳しく自分に臆病なこの国の民度は、もう先進国とは呼べない程にまで劣化してきている気がするのは、自分だけでしょうか?

 

元々、“分かりやすい情報”を与え愚民を洗脳する役割のテレビと違い、映画は万人の観客に“何かを考えさせてくれるエンターテインメント”だったはず。。。

その相手の気持ちを、状況を、バックグラウンドなんかを想像してみるのって、その場凌ぎストレス発散だけじゃなく、結構楽しく自分自身の知見をも広げてくれる、割と効率のいい娯楽の一つだと思うんだけどな。。。。

 

そんないつもの愚痴を飲み屋でほざいていたら、「プロ目線の面白そうな映画を教えてください!」なんていう黄色いおだて声に乗せられたので、今回は身の程を全くわきまえずに、完全に偏りまくった自分視点での2020年下半期に期待している映画のベスト10を作ってみました。

 

・・多少億劫でも、そろそろ皆様に重い腰を上げて映画館に足を運んで頂けないと、この国の芸能文化は最早風前の灯。。

面白いものを作れない日本の映画業界のジレンマの一端は、テレビから派生する映画や中二病アニメ、或いは分かりやすいものにしか興味を持てない観客側にもあります。

これ以上、目に見えない何かに怯えてても疲れが溜まってくだけなので、他人との物理的な接触さえもままならない今だからこそ、誰かの頭の中の妄想や、世界中に埋もれる現実の人間ドラマを、ちょっぴりだけ覗いて想像力を膨らませてみませんか・・・?

 

※尚、ランキングは著者の期待値順、現時点で公開日が未定の作品は除外しています。

 

2020年上半期期待の映画はコチラ

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⑩『劇場』/7.17公開予定

劇場/2019(日本)/136分
監督:行定 勲 原作:又吉 直樹
出演:山﨑 賢人、松岡 茉優、伊藤 沙莉、浅香 航大、井口 理、上川 周作、三浦 誠己

 演劇界のオトコ達の夢

言わずと知れた行定組の最新作。
芥川賞作家の“ピース”の又吉&「演劇界の芥川賞」と呼ばれる岸田國士戯曲賞脚本家蓬莱竜太とのコンビでシリアスな恋愛劇を描くなら、面白くないわけがないw

純文学臭が漂いまくる中での松岡茉優の演技は、青臭い演劇業界に携わる全てのオトコ達の妄想の集大成に、必ずやなってくれているはず? 

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⑨『ディック・ロングはなぜ死んだのか?』/8.7公開予定

The Death of Dick Long/2019(アメリカ)/100分
監督:ダニエル・シャイナート
出演:マイケル・アボット・ジュニア、ヴァージニア・ニューコム、アンドレ・ハイランド、サラ・ベイカー、ジェス・ワイクスラー、スニータ・マニ、ジャネル・コクラン

 ウィットに富んだブラックジョーク

スイス・アーミー・マン』で新星の如く現れたダニエル・シャイナート監督の新作。

 

Appleとの業務提携を結んだ期待のインディペンデンス映画製作会社「A24」が手掛けるこのブラックコメディは、監督自らが映画の狂言回しとなるディック・ロング役を演じている。

・・タイトルからしてもう分かるヒトには分かるヤツだけど、下ネタから始まるサスペンスは、意外と鋭い人間模様を捉えているのかもしれない・・?

 

⑧『ヴィタリナ』/9月上旬公開予定

Vitalina Varela/2017(ポルトガル)/130分
監督/脚本:ペドロ・コスタ
主演:ヴィタリナ・ヴァレラ/ヴェントゥーラ、マヌエル・タヴァレス・アルメイダ他

 リスボンの黒人移民の光と影

ロカルノ国際映画祭で最高賞の金豹賞と女優賞をW受賞した鬼才ペドロ・コスタの最新作。

強烈な光と闇のコントラストで、夫を失ったアフリカ移民労働者の妻の視点を描く。

 

暗闇をもっと暗くしたい」という独自の着眼点の元、日本人には馴染の薄いポルトガル・リスボンのスラム街でのその苦悩の歴史と悲哀は、ドキュメンタリーを凌ぐ程の圧倒的なインパクトを受けてしまうかも。。

 

⑦『破壊の日』/7.24公開予定

破壊の日/2020(日本)/―分
監督/脚本:豊田 利晃
出演:渋川 清彦、マヒトゥ・ザ・ピーポー、イッセー 尾形、松田 龍平

 分断と不寛容の時代を問う現代版『AKIRA』

コロナ後の世界で何を表現することができるのか」という時勢を問う問題作。

数多の芸能人、ミュージシャン、芸能関係者等の支援を受け、クラウドファンディング映画として2020年1月に企画が開始された。

 

実態のないウィルスの影に怯える人心とそっくりそのままリンクする設定で、疫病のうわさが広がる世の中で即神仏になろうとする若者の姿を描く。

 
鑑賞後の一言
・・爆音のSEと活舌の悪過ぎる台詞で、殆ど何をしゃべっているのかわかりませんでした。。

何かわからないものへ怯える人々への切実な祈りの声だけはなんとなく伝わってくるけど、もうちょっとだけ普通に理解できるドラマパートを作ってほしかったな。。

 

⑥『チィファの手紙』/2020秋公開予定

你好、之華/2018(中国)/113分
監督/脚本:岩井 俊二
出演:ジョウ・シュン、チン・ハオ、ドゥー・ジアン、チャン・ツィフォン、フー・ゴー

 もう一つの中国版『ラストレター』

日本が誇る稀代の映像作家岩井俊二が描くもう一つの『ラストレター』。

自身の同名小説と全く同じ原作を元にして、手紙で繋がる初恋の記憶を再び蘇らせる。

中国版では、松たか子の演じた役を『ハリウッド・ホンコン』で異彩を発した周迅(ジョウ・シュン)、福山雅治の演じた役を『二重生活』での怪演ぶりが記憶に新しい秦昊(チン・ハオ)がそれぞれ演じ、そのキャスティングは国際的に豪華な顔ぶれにリニューアル。

 

・・岩井映画フリークの自分にとっては、その映像美が一番フィットしそうな中国映画としての初のアジア進出作品なので、期待値は言わずもがな高まりまくってます。

 

⑤『ラストブラックマン・イン・サンフランシスコ』/10.9公開予定

The Last Black Man in San Francisco/2019(アメリカ)/120分
監督/脚本:ジョー・タルボット
出演:ジミー・フェイルズ、ジョナサン・メジャース、ダニー・グローヴァー

 ヴィクトリアン・ハウスの栄光と影の歴史

監督を務めるジョー・タルボットと主演を務めるジミー・フェイルズが、ダブルの新人コンビでありながら、サンダンスで監督賞と審査委員賞を受賞した話題作。

二人が幼い頃に実際に体験した出来事を元に、サンフランシスコのベイエリアに立つヴィクトリアン・ハウスの歴史に焦点を当てたノスタルジー映画。

 

配給にはA24、 製作にはブラット・ピット率いるプランBエンターテインメントと土台を支えるスタッフ陣も盤石で、早くも、開催の延期が発表された来年のアカデミー賞最有力候補の呼び声も・・

 

④『本気のしるし』/10.9公開予定

本気のしるし/2020(日本)/228分
監督:深田 晃司 原作:星里 もちる
主演:森崎 ウィン/土村 芳、宇野 祥平、忍成 修吾、北村 有起哉

 コミック原作ドラマからカンヌへ・・

名古屋テレビ枠で放送されていたコミック原作のドラマを再編集した映画でありながら、2020年度のカンヌ国際映画祭にも正式選出されたという異色作。

本気の恋をした事もされた事もない典型的な日本人サラリーマンの初恋に焦点を当てたヒューマンドラマ。

 

・・正直、これだけ地味なキャスト&ニッチな題材にも関わらず海外で一躍脚光を浴びたのは、カンヌ経験のある監督の力技じゃなく、その卓越した脚本力とタイトル通りの演者の勢いのおかげだと、今はまだ頑なに信じてます。。

 

 

③『リトル・ジョー』/7.17公開予定

Little Joe/2020(オーストリア、イギリス、ドイツ)/105分
監督/脚本:ジェシカ・ハウスナー
出演:エミリー・ビーチャム、ベン・ウィショー、ケリー・フォックス、キット・コナー、ゴラン・コスティッチ

 ”幸せ”を紐解くサイエンススリラー

画角の構図と色、そしてカンヌも認めた主演のエミリー・ビーチャムの迫真の演技と、映画としての重要性が三拍子揃った、久しぶりの正統派スリラー映画。

バイオ企業で「幸せになる香り」を放つ新種の植物開発に取り組む研究者が、人を幸福にする特別な花に魅せられていく様子を描く。

 

更に単なるスリラー映画に留まらず、哲学的な人の幸福論にも触れている奥深いテーマ性を勝手に感じてるのは自分だけ? 

 

②『mid90s ミッドナインティーズ』/9.4上映予定

Mid90s/2019(アメリカ)/85分
監督/脚本:ジョナ・ヒル
主演:サニー・スリッチ、キャサリン・ウォーターストーン、ルーカス・ヘッジズ、ジェロッド・カーマイケル

 90年代の少年の葛藤

ウルフ・オブ・ウォールストリート』のディカプリオの相棒を演じたジョナ・ヒルが、自身の少年期の目線で初めてメガホンを取った青春映画。

アラフォー世代にはたまらない90年代ど真ん中の群像劇が、その気怠く心地よい音楽の音色に乗せて、スクリーンに映るかと思うと・・

 

助演にも『マンチェスター・バイ・ザ・シー』で天才若手助演俳優の名をほしいままにしたルーカス・ヘッジズや、『エイリアン・コヴェナント』のキャサリン・ウォーターストンと実力派が勢ぞろい。

批評家からの評価もそこそこで、思春期の少年の葛藤を描いた完全なボーイズ目線の印象だけど、それだけに、そのストレートな爽快感が予告からだけでたっぷりと伝わってきてしまいました。。

 

『朝が来る』/10.23公開予定

朝が来る/2020(日本)/139分
監督/脚本:河瀨 直美
出演:永作 博美、井浦 新、蒔田 彩珠、浅田 美代子、中島 ひろ子、青木 崇高、利重 剛

 河瀨直美の新境地

殯の森』から13年、史上最年少でカンヌ国際映画祭のカメラ・ドールに輝いた『萌の朱雀』から23年の時を経て、日本の誇る女流監督の第一人者河瀨直美が、再び世界で旋風を巻き起こすか?

CX系でドラマ化もされたこの映画は、第13回本屋大賞にも入選した辻村深月による社会派ミステリー

これまで強い拘りを映像に求めていた河瀬監督が、人気ベストセラー作家の原作を元にコラボを実現させたその新境地にも、自ずと注目度が高まる。

 

ソロモンの偽証』以降、少しだけ映像業界から遠のいていた日本の誇る名女優、永作博美の復帰作でもあり、母親である事の意義を問うそのテーマ性も含めて、2020年度私的No.1映画になる事は多分間違いない気がしている。

 

その他、稲垣吾郎主演×クリストファー・ドイル撮影×手塚治虫原作の『ばるぼら』、実に34年ぶりの続編となるトム・クルーズの出世作『トップガン・マーヴェリック』の公開と、年末には話題作が目白押し。

更に、コロナの影響で映画の公開自体が無期限調整中となってしまった今年上半期の話題作も、皆様が少しでも劇場に足を運んで頂けると、その再開の目途が立つんです!

 

・・毎日他人に怯え家に引きこもる生活or変にストレスを発散させる生活はそろそろやめにして、万全の態勢を整えた上で、貴方もそろそろ映画館に足を運んでいい映画で時代を前向きに見つめてみませんか?

 

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