マリブのブログ

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『フィアー・ザ・ウォーキングデッド』シーズン4第5話の私的な感想―ジョンとローラ―(ネタバレあり)

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Fear the Walking Dead Season4 Episode5/2018~(アメリカ)
製作総指揮 :ロバート・カークマン/脚本:アナ・フィッシュコ
出演:レニー・ジェームズ、マギー・グレイス、ギャレット・ディラハント、フランク・ディレイン、アリシア・デブナム=ケアリー、キム・ディケンズ他

 ジョンとローラのサイドストーリー

最近、本家の『ウォーキング・デッド』シリーズを見始めた若い女子から、衝撃の感想を耳にしました。

「あのドラマって夢を見せてくれるドラマじゃなくて、夢にしがみついている人が見るドラマなんですね・・」


最近、口うるさく想像力だの情緒だの戦前生まれのジジィのように語っていた自分にとっては青天の霹靂でした。。

 

最早、夢を追っているヒトはカッコよくなく、何かを与えてくれるヒトだけがカッコいい時代の様です。。。

 

・・え!!・・そんなコト、皆さんとっくに知ってました!? 

 

・・・なんだかあまりに味気なくて、ドラマを作る気が失せてしまいそうです。。。

 

「そりゃ、阿部やトランプの様な既得権益を守り抜く人間が支持される世の中だもんな・・」

なんてもう、すね始めていますが。。

 

映像業界からを取り除いたら、後に残るのは情報しかありません。

 

・・それじゃ、あまりにも、ねえ、・・なんだかロマンが無さ過ぎませんか?

 

多忙を極める中、少々酔っぱらって書いていますので駄文をお許しくださいm(__)m

フィアーとは全く関係のない感想の様ですが、今回はそんな、現実世界から遠のいた男が僅かに抱くロマンをきっちり45分に詰め込んだあまりにも切ないエピソードです。


シーズン4第4話の感想はコチラ 


以下、
『フィアー・ザ・ウォーキングデッド』シーズン4第5話のネタバレを含んだ上での感想です。

まだご覧になってない方はご注意下さい。



 

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 ローラ

崩壊後の世界でジョンが住処を構えていたのは、河原の小さな掘っ立て小屋。

彼は魚の目覚ましで朝を迎え、独りでスクラブルに興じ、晴れた日にはポーチでアンティークのリボルバーの手入れをする毎日。
稀に河原に流れ着くウォーカーは、普段と変わらず水源を汚染しない様に早めに取り除き、夜はポップコーン片手に孤独を紛らわす為の映画三昧。

そんなとある夜、彼の小屋の前にボートで流れ着いた一人の女。

横腹に切り傷を抱えていた彼女をジョンは手厚く介抱し、彼はその枕元にそっと水とキャンディーバーを置く。

明くる日目を覚ましたジョンは、車を盗み逃げ出そうとしている彼女に遭遇。
彼は丁寧にも鍵のありかを教え、そのまま見送ろうとするが車は動かず。。

彼女の指示通り、不慣れな手つきで傷を縫っているジョン。
警戒を続ける彼女にジョンは献身的に振舞うが、彼女は多くを語らない。

微妙な距離感を保ちつつも、傷が癒えるまでの間同居する事を決めた彼女を、ジョンはローラと名付ける。
二人は一緒に調達に向かい、一緒に橋を修復し、一緒に映画を観る。

やがて彼女は、ようやくこの世界で自分が子供を失った事をジョンに告げる。

次第にジョンから様々な事を学び始めるローラ。
彼女は釣りを教わり、魚の捌き方の手解きを受け、共に食事をする。
ローラはそれでもジョンから貰ったブーツを履こうとはしなかったが、二人の距離は徐々に縮まってゆく。

ある日、再び橋の修繕に向かった彼らはウォーカーの集団に遭遇するが、ローラが無断で持ち出したジョンのリボルバーを見て彼は激昂。
レッドマチューテの刺さったウォーカーに危うく襲われそうになるジョンの姿を見て、彼の心の瑕を察するローラ。

その晩ジョンは警察官だった頃の自分の些細な過失をローラに打ち明ける。
そしてその過失があったにも関わらず、自分をヒーロー扱いする周りの人間達から逃れその小屋に移り住んだ事も。。

真夜中、ジョン達の修復も虚しく、小屋に続々と流れ着いてくるウォーカーの群れ。

二人は必死にウォーカーに立ち向かうがそのあまりの量の多さに太刀打ちできず、ローラは窮地に陥る。
ジョンに必死に助けを求める彼女を見詰め、彼は止む無く決心。
2丁のリボルバーを両手に構え、ローラを襲うウォーカーを早打ちで仕留めていく。。

ジョンは傷の癒えたローラが旅立つはなむけに自分のリボルバーを手渡す。

ローラは彼の愛情を上手く受け取る事が出来ないが、それでも精一杯の礼をジョンに伝えようとするが・・
彼女の様子にいたたまれなくなったジョンはその場を離れようとするが、ローラはそんな彼を呼び止める。
・・やがて、遂に胸の内を吐き出してしまうジョン。

彼はいつの間にか彼女を愛し始めてしまっていた自分に狼狽するが、ローラは彼を抱き寄せ熱いキスをする。。

明くる日、いつもどおりに目を覚ますジョンの横に彼女の姿はない。
彼女の代わりに残されていたのは、履き古した彼女のスニーカーとジョンに宛てた愛のメッセージ。。

 

朝焼けの中、ジョンの側で彼のローラとの馴れ初めを聴いているモーガン。

彼女に愛を伝えてしまった事を後悔するジョンの言葉を遮り、モーガンは、

「この世界では今が全てだ。今を逃すと人は死ぬ」

と告げる。

モーガンに励まされるままジョンは立ち上がり、彼女を探す為二人は再び歩き出していく・・・
 

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 ・・ゾンビもので、ここまで秀逸なラブストーリーが今まであったでしょうか?

二人の馴れ初めのあまりの切なさに、もう、ちょっと溜息が漏れてしまいそう。。

クロスワードパズルの答えを独りで呟いているジョンの様子からは、それだけで十分彼の飾らない人間性が伝わってきます。

更にその朴とつな台詞の数々、孤独から不眠症を患っている繊細さ、極めつけは物資調達に向かった昔の友人の店から、世界が崩壊したというのに未だに映画のビデオをきちんとレンタルし続けているという実直さ。。。

もう笑える程カッコ良過ぎて、大分シビれます。

「退廃的な世界の中でも自分はこんな風に生きられる男でいられるだろうか?」

なんて真剣に考え込んでしまいましたw

ジョンがローラに言っていた台詞、

「貴方が生きていてくれたら、こんな世界でも生きている実感が持てる」

なんて、いつか自分も誰かに言ってみたい!なあ・・・

 

因みにあまりにジョンに感化され過ぎて、彼の名前の由来の魚ジョン・ドリーを調べてみました。

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日本名ですと的鯛(まとうだい)。ムニエルやソテーにするとおいしいようです。

ちょっとブサイクですが立派な背ビレが威厳のある関西では高級魚とされる珍しい魚。

 

・・自分もジョン・ドリーのように、変わり者でも強く気高く、そしてオイシくありたい。。。

シーズン4第6話の感想はコチラ

 

『フィアー・ザ・ウォーキングデッド』シーズン4
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