マリブのブログ

ミネルヴァの梟は迫り来る黄昏に飛び立つ

『フィアー・ザ・ウォーキングデッド』シーズン4第8話の私的な感想―母の最期の願い―(ネタバレあり)

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Fear the Walking Dead Season4 Episode8/2018~(アメリカ)
製作総指揮 :ロバート・カークマン/脚本:イアン・B・ゴールドバーグ、アンドリュー・チェンブリス
出演:レニー・ジェームズ、マギー・グレイス、ギャレット・ディラハント、フランク・ディレイン、アリシア・デブナム=ケアリー、キム・ディケンズ他

 前半最終話に向けて

・・なんだか不安な気持ちでいっぱいです。

本来ならマディソンの行方は?ジョンの生死は?的な期待が多少は交差する筈なんですが、5話くらいまでのエピソードが秀逸過ぎて、その後の失速感がハンパありません。

現在と過去のクロスカッティングも、あまり多用しすぎるとそろそろミステリーの答え合わせの様に感じてきてしまいます。

 

そして何よりも、、

マジでダニエルについてこのまま何も触れずに終わるつもりでしょうか?

トラヴィス亡き後、唯一闇を抱える同年代の男として感情移入出来そうだった彼の事は、もう皆さん忘れちゃいました?

M2層以上の視聴者が大分少ないのか、相変わらず気の弱い詐欺師ぶりを見せ続けるストランドだけではちょっと物足りません。

という事はやっぱり、、

制作側はもう今後意図的に、ジョンとモーガンに視点を移していこうとしている気がしてきます。

でもねえ。。なんだろ、この倦怠感。。。

 

妻も娘も失った彼がこのまま完全に忘れ去られていく寂しさは、現実の自分と少しリンクしちゃってるんでしょうか・・?

 

ダムで九死に一生を得て救われたはずのニックもチャーリーにあっさり殺されて、ダニエルの虚しさがより一層深まっていっています。

・・もう、コッチでの復帰が叶わないのなら、せめて本編の方でのウィスパラーズの参謀、ベータ役でもいいからもう一度登場させてくれないかな・・

時間軸的にも結構丁度いい気もしませんか?

 

シーズン4第7話の感想はコチラ


以下、
『フィアー・ザ・ウォーキングデッド』シーズン4第8話のネタバレを含んだ上での感想です。

まだご覧になってない方はご注意下さい。



 

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 生きていればそれでいい

深夜の森の中、女の背中越しに銃を突き付けているマディソン。
彼女は装甲車を奪おうと女に近づくが、逆に女の罠にかかり転倒する。
カップラーメンを片手に振り向くのはアルの姿。。

 

無数の焼け焦げたウォーカーに取り囲まれる装甲車。
そんな状況下でもアルは瀕死のジョンに向けてカメラを回し続けている。
やがて彼女はそのカメラをチャーリーに託し、診療所へと走るモーガンとナオミを車の一斉射撃で援護。
しかしアリシア達も既に到着していて、両者は一触即発状態に陥る。

 

子供たちの行方を探す為アルの車からテープを奪ったマディソンは、画面の中に彼らの姿を探すが見つからず。
やがて追いついたアルに逆に捕まり万事休す。

 

アリシア達との銃撃戦の最中、次第に症状が不安定になってゆくジョンは、チャーリーの回すカメラに向かってナオミ宛のメッセージを残す。

 

真実の重要性を説くアルのカメラに向かって、ようやくその重い口を開くマディソン。

 

装甲車の車内に侵入する事に成功したアリシアは、チャーリーを人質にアルに拳銃を突き付ける。
彼女の目的は裏切者のナオミを殺す事。
脅されているアルは、アリシアの指示通りシーバーでナオミをおびき寄せるが、ジョンの機転によりナオミ達は危険に気付く。
するとその一瞬の隙をつき反撃に転じるアル。

 

アルのカメラの前でのマディソンの告解。
「自分のような汚れ仕事を、子供たちがしなくていい場所を見つけたかった」
と告白するマディソン。

アルとアリシアが車内で揉み合う中、ふとした拍子に床に散らばるカップラーメン。
アリシアは何かに気付き、アルのテープから“アミナ”と書かれたラベルを見つける。

マディソンは子供たちとの思い出を語る。
それは彼らが子供だった頃の遠い昔の話。
“アミナ”と名付けた怪我をした鳥を、二人が寝る間も惜しみ看病していた頃の事を。
「自分は毎晩怯えていたが、子供たちが諦めなかったので小鳥は回復したの」
と告げるマディソン。

 

マディソンのテープを食い入るように見ているアリシア。
やがて思い立った様に、ナオミ達の方へと向かう。
銃口を突きつけながらナオミに詰め寄るアリシア。
しかし二人の間にはモーガンが立ちはだかる。
失意のアリシアを必死に宥めるモーガン。

彼女はマディソンの死により、絶望から復讐を誓っていた。
モーガンはリックとの過去を語り、そんな彼女に言う。

「人間は必ず何度でも変われる。君さえそう望めば」と・・

泣き崩れるアリシアを支えるモーガン。

 

マディソンに手付金としてカップラーメンを手渡すアル。
二人は再会を誓い、それぞれの道に旅立つ。

エルパソ郊外のモーテルで、マディソンはとうとうアリシア達と再会を果たす。
合流した彼らはマディソンが見つけた野球場に移動。
彼女はアルとの出会いを振り返り、今度は自分たちが誰かを助けようと皆に告げる。

 

和解したアリシア達とアル達はそれぞれの過去を振り返る。
アルのカメラの前でマディソンの最後を語り出すアリシア、ルシアナ、ストランドの3人。

 

球場前の車内で取り囲むウォーカー達に怯えるアリシア達。
マディソン、ルシアナ、ストランドは火のついたウォーカーを懸命に排除するが、球場に残っていた住民たちは次第に恐怖を募らせていく。
彼らはやがて各々ゲートから逃げ出してゆき、マディソンの制止も空しく次々とウォーカーの餌食に。。
メルはアリシアの車を奪い、チャーリーと共に逃走。
ナオミはなんとか逃げ延びた中で、メル達に拾われたことを告げる。

そんな中、マディソンは発煙筒でウォーカーの大群を球場に閉じ込める作戦に出る。
彼女はそのまま中からゲートを封鎖し、アリシア達の逃げ道を作る。

シーバー越しに彼女はアリシアに向かって最後に一言、

「貴方達らしく居られる場所を作りたかったが、生きていればそれでいい」と・・

そのまま球場は炎に包まれていく・・・

 

それぞれの過去の出来事をカメラに収めたアルは、テープに“マディソン”と書き残す。

スローモーションの中、彼らはマディソンを偲び、各々カップラーメンをすすり始める。。。
 

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 ・・とうとう、最後までダニエルの事は一言も語られませんでした。。

ここまで箝口令を敷かれると、逆に複雑な事情がある様にも勘ぐってしまいますが。

 

随分駆け足でしたが、マディソンの最後を締めくくるにはそれなりに上出来なエピソードだった気がします。

二つの別々の時系列の過去を織り交ぜる少々トリッキーなクロスカッティングは、何だか混乱してしまいましたが子供の未来の為に死にゆく親の意思であれば、もう文句はつけようがありません。

彼女の死をきちんと見せない演出は、どうしても穿った見方をしてしまいそうなので、しっかりけじめをつけてもらいたかったのがホンネですが。。

 

聖人モーガンも、人間臭いジョン、世捨て人なナオミ、傍観者の正義を貫くアル等と一緒にいると、随分上手くフィットしている風に見えますね。

そして病んだモーガンを、更に病んでいるアリシアと対立させる構図も中々見事。

彼のバックグラウンドにはリックの面影が必ずチラつくので、『フィアー』の再建にはやはり本家のチカラが随分大きく影響していましたね。

 

逃避癖が治らない不安定なナオミがハゲタカへ合流した経緯も、少々雑になっていた気もしますが、ジューンと言う本名をようやく名乗ってきたのでジョンと一緒にいるうちはもう忘れますw

 

マディソンとダニエルの復帰がどうしても頭を過ってしまい、どうも純粋に楽しめなかった気もしてきますが、アルのジャーナリズム精神がようやく最後で実を結んできたのでこれもひとまずはチャラで。

ラストシーンの皆でカップラーメンをすする描写は、殆どCMの様に見えてしまい中々微笑ましい光景でした。

 

9話以降は、アルの真実を捕らえ続けようとする思いが、終末世界の中での人間達の生き方にもうちょっと深く影響を及ぼすような展開になってくれたら嬉しいかも。。

 

私的には、ダニエルこそ生きていればそれでいいので、後半に大いに期待します。

シーズン4第9話の感想はコチラ
www.mariblog.jp

 

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