The Walking Dead Season10 Episode8/2019~(アメリカ)
脚本:ジュリア・リッチマン
出演:ノーマン・リーダス、メリッサ・マクブライド、ソーラ・バーチ、サマンサ・モートン他
リックの面影
ようやくシーズン10前半最終話となりました。
・・正直、冷めきったキモチから、中々立ち直れませんが。。
自分が「善人である事を疑うと全てが崩れさる」と言う初回エピのアーロンの台詞通り、なんだか登場するキャラの気だるさばかりが目立つ、異様なシーズンでした。。
もうこの際、退場するミショーンとか、復帰予定のマギーとかどーでもいいけど、最近の『ウォーキング・デッド』は、なんだかテーマがすり替わってきてませんか?
元々このドラマのコンセプトは、ウォーカーが蔓延する世界に取り残された孤立する人間達の再生のお話。
そんな中で、家族を守ろうとするリックとか、ジャンキー上がりのダリルとかが、本音と建前の狭間で揺れながらも、誰と共存できるか?或いはできないか?とかそんな事を見つけ出すヒューマンドラマだったはずじゃ・・
いつの間にか、人に怯える者同士のキャロルとアルファとの復讐サバイバルゲームになってきた今回のシーズンは、最早その皮肉と言うよりも、ドラマの根幹がかなり揺らいでる気がしてます。
リックからカール、そのカールが、命をかけてまで救い出したセディクのあっけない幕切れは、もう、あまりに虚しすぎて開いた口が塞がらないくらい。。
これで晴れて?過去の因果が払しょくされたのか、9年間にも及ぶリック等の希望を背負うメンバーはすっかりいなくなりましたが、不穏な空気感ばかりを際立たせる演出に特化し始めたこのドラマを、一体どれだけの人が楽しみにしてるんでしょう?
来日した法王の言葉通り、“社会から孤立している人々”がサイレント・マジョリティを占めるこの国で、これ以上モヤモヤする展開が続いても、なんだかなぁ。。。
・・もうこうなったら、、、
マーベル映画の出演に忙しいミショーンも、せこく出戻りを画策するマギーも、新しいアポカリプスゲーム「DEATH STRANDING(デス・ストランディング)」の主役に抜擢されちゃったダリルなんかも退場していーから、ラストの新キャラとして登場するバージルを主演にして、現状キャラを総入れ替えでもして、もう一度『ウォーキング・デッド』をやり直してもらえないでしょーか?
ほら、彼ならニーガン程ギャラ高くなさそーだから出番いっぱい撮れるし、オリジナルキャラだから憶測情報飛び交わないし。。
何よりも、劇中でリアル家族を大事にしてそーなそのキャラクターは、どこか初期の頃のリックの面影に、なんとなく似てる気がしてる気がしてきませんか・・・?
・・せめて、新興宗教教祖まっしぐらのモーガンにだけは、ならないでいてほしい。。。
以下、『ウォーキングデッド』シーズン10第8話のネタバレを含んだ上での感想です。
まだご覧になってない方はご注意下さい。
取引
・・アルファからの密命を受けているダンテ。その潜入する様子。
彼は他のサバイバーと共に、アレキサンドリアへと辿り着く。。
アルファの指示通りに、ダンテは住民を脅かす落書きや街の飲料水に細工を加える。
やがて、シェリルを窒息死させたのも彼の仕業だった事が判明するが、セディクを殺してしまった事には、僅かな戸惑いをみせる。
殺害されたセディクの部屋へとやってくる、赤子を連れたロジータ。
彼女は、ダンテの不審な様子を敏感に察知し、ココをその場にゆっくりと下ろすと・・
彼女に飛びかかってくるダンテを必死に跳ね除け、その胸にナイフを突き刺すロジータ。
やがてウォーカーと化しココへ近づいてくるセディクを、彼女は躊躇なく刺し殺し、起き上がろうとするダンテには、馬乗りになって殴り続ける。。
アルファに騙されていた事を悟ったガンマは、アーロンの元へとやってくる。
彼女はそこで自分の素性を語り、アーロンに促されるままに、そのウォーカーマスクを外すと・・
メアリーという本名を明かした彼女は、アダムと名付けられた自分の甥との再会を条件に、ウィスパラーズの内部情報を提供する事を約束する。。
ダリルやキャロル、エゼキエル等が揃う中、彼らはダンテを尋問。
ダンテは、人間の理想論の限界に気づかせたかった事を主張すると、憤りの収まらないロジータは、彼の背中を激しく蹴りつける。。
アーロンは、ダンテの真意を見抜けなかった事を激しく後悔すると共に、メアリーから持ち掛けられた取引の内容をダリル達に明かす。。
アルファが、境界線の近くにある国有林にウォーカーの大群をおびき寄せている事を知ったキャロルは、その場所に直ぐにでも向かおうとすると・・
リディアを利用して、アルファの嘘を暴いたキャロルに蟠りを覚えるダリル。。
そして、逃げ出した彼女の行方を追おうとしないキャロルに、ダリルはやがて不信感を示すも・・・
スコット等と共に、オーシャンサイドへの道を急ぐミショーンの一行。
しかしジュディスのリクエストに弱い彼女は、その道すがらで街の図書館へと向かう。
すると、その中でウォーカーに襲われかけたルークを、咄嗟に救う男に遭遇するが・・
・・セディクの葬儀が行われる中、駆けつけたエゼキエルとの再会を果たすキャロル。
二人はぎこちない空気のまま、お互いの心境を語りあうが、ウォーカーの大群を追う事に心を奪われているキャロルは、死の近づいているエゼキエルの僅かな情動に、気付く事が出来ずに・・
セディクを失った悲しみを紛らわす様に、アレキサンドリアの外壁に集まるウォーカーを退治するロジータ。
しかし、子を持つ母となった一瞬の躊躇いが災いし・・
ヘルメットに守られたウォーカーに襲われそうになるも、間一髪の処でその助太刀に入ってくるユージーンの姿。
彼は、そのロジータの悲しみを受け入れた上で、自分がアレキサンドリアに戻る意思がない事を彼女に告げ始めると・・・
ダンテにインタビューした時の映像を見つめ、もどかしさが込み上げてくるゲイブリエル。
ロジータはそんな彼に、ユージーンの見違えた勇気を語ろうとするも、彼の心はダンテに向けられた憎しみに捕らわれたまま。。
セディクの死を知らされたミショーン達は、オーシャンサイドに参加する新参者のチェック強化を要請する。
すると、そこで偶然村に侵入しようとしていた男に出くわすと・・
彼が、図書館でルークを助けた男だった事が判明するも、ミショーンのその警戒心を解けず。。
やがて何処からともなく集まってくるウォーカーにウィスパラーズの影を重ね、ミショーンは怯え始める。。
ダンテを拘束した牢獄へとやってきたゲイブリエルは、その苛立ちを静かに滾らす。。
やがて、臆病な自分を再度克服する為、唐突にダンテの胸にナイフを突き刺す・・・
ウォーカーに襲われそうになり、逃げだそうとする男の膝を切りつけるジュディス。
彼女は、蹲る彼を尻目にミショーンを呼び寄せ・・
ジェリーや、ユミコを除くマグナ達ヒルトップの仲間達も加わり、森の中を急ぎ歩くダリル。
彼は、ウォーカーの大群を追いながらも、行方不明になったリディアの行方にも気を揉んでいるが、ガンマに教えられた場所に、彼らがようやくやってくると・・
手足を縛られた男の傍で、彼が図書館から持ち出した本を読み耽っているジュディス。
その焚火に照らされている中やってくるミショーンは、彼にウィスパラーズの嫌疑をかけるも・・
島で待つ家族の元に帰りたい旨を伝えるその男は、“情けが不足する世の中”での自分の突発的な行動に、疑念の余地がない。。
ミショーンはそんな彼に、次第にリックの残像を重ね合わせて・・・
海軍基地に根城を置く彼の蓄える武器を得る為にも、バージルと名乗る彼との接触を試みる決断をした事を、ジュディスに申し伝えるミショーン。
そして他人を危険に巻き込まない為にも、彼女達を置いて、単独でその島に向かう決意を固めた事も・・
ウォーカーの大群を見つけられなかったダリル達は、踵を返し一路帰路へ着く。。
しかし、人の僅かな痕跡を感じ取ったキャロルは、遂に森の中に潜むアルファと、再び巡り会ってしまう。。
ダリルの止める声にも耳を貸さず、その逃げ去って行く彼女の後を追うキャロルは、マグナ達も巻き込んで森の中へと入り込んでいく。。
やがてその後を慎重に追うダリルだったが、アルファの罠によって仕掛けられた落とし穴に落ちると、そこには、無数のウォーカーが蠢く岩場へと辿り着いてしまう・・・
・・あらすじを書いていて思ったんですけど・・・
どうも、脚本はそれなりなのに、カット割りがめちゃくちゃで、ちょっとびっくり。。
ミショーン達にいつの間にか同行しているスコットや、ダリル達に無理やり合流するマグナ達には目を瞑るにしても、感情を見せる大事なカットがあまりに足りなさ過ぎて、もう放送事故に感じちゃうレベル。。
例えば、ロジータがゲイブリエルとの距離感を感じた時とか。。
例えば、そのすれ違う思いの中で、ダンテを殺しちゃう程苛立ちを募らせるゲイブリエルの表情とか。。。
余裕のない撮影スケジュールの為か、人物の位置関係さえも全然掴めない大雑把なカット割りなので、集中力が途切れまくっちゃいます。。。
極めつけは、不安定なキャロルに終始不安がってる割には、あっさり彼女の単独行動を止められないダリルなんかは、勢い余ってグループ丸ごとアルファの罠にひっかかってウォーカーの巣に落ちちゃうとか、もう、コントのようにチープ過ぎる展開で・・
ミショーンがバージルに同行する理由も、敢えて武器の調達にする意味はなんだったんでしょーか?
ファーストエピソードですっかり軍隊チックな訓練風景まで見せてきた武闘派集団なんだから、そこはリックの残した言葉を思い返したってだけで、十分に説得力があるはずなんだけど・・
製作陣も、戦いやゾンビより複雑な人間関係と揺れ動くその心理がウリだったファーストシーズンの頃を思い返して、つまんない現実論に拘らず、もっと希望を持てる演出を取り入れたドラマにしてもらえないでしょうか?
目に見えて逼迫してるドラマの予算状況も踏まえて、もう大掛かりなセットとかCGウォーカーとかどーでもいーんで、来年配信予定の後半からは、喜怒哀楽をしっかりみせるキャラクターの変化なんかを中心に見せてくんないかな。。
因みに、今回のシーズンで退場予定のミショーンが旅立つ事になったタンジア海峡のブル―ズワス島とは、アレキサンドリアから直線距離で、150キロも離れてないバージニア州の島。
実際には、要塞化された海軍基地はなく、気候変動で沈みかけの猫の楽園と化した小島みたい。。
イギリスからの独立以来、実在するコモンウェルスを称するこの州の離れ小島にひっそりと暮らしてきたバージルと、劇中のジョージー率いるコモンウェルスとの接点に、今からちょっとだけ妄想を膨らませてます。。
・・後半戦も、また性懲りもなくバトルモード全開な様ですが、アンジェラ達製作陣には、この深刻な視聴者離れを打開する秘策があるんでしょうか・・?
ようやく実りそうなユージーンの恋の行方くらいしか、興味湧かないけど。。。
シーズン10第9話の感想記事はコチラ
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