マリブのブログ

ミネルヴァの梟は迫り来る黄昏に飛び立つ

『ウォーキング・デッド』シーズン8からの改善点を勝手に考察―カールの死から気付くべきコト―(ネタバレあり)

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The Walking Dead Season8/2017~(アメリカ)
企画:フランク・ダラボン/原作:ロバート・カークマン
主演:アンドリュー・リンカーン/ノーマン・リーダス、サラ・ウェイン・キャリーズ、チャンドラー・リッグス、ジョン・バーンサル、スティーヴン・ユァン、レニー・ジェームズ他

 『ウォーキングデッド』のターニングポイント

シーズン8の再開が待ち遠しくて、他の映画を観る気になれません。。

只それと同時に不安な気持ちもいっぱい。。。

とうとう受け入れなければならないんでしょうか?彼の死を

思い返してみれば、ニーガンに殺されたグレンの死の時も同じ感覚でしたね。。

あのシーズン7のプレミアから視聴者数は徐々に下降し始めました。

その減少度合いが示しているとおり、あれが『ウォーキングデッド』ターニングポイントだったんでしょうか・・?

ウォーキングデッドはシーズン9まで製作が決定しているらしいんですが、

このままで本当にダイジョブなんでしょうか・・・?

と心配の種が尽きないので、今回は明日の再開を踏まえ、そろそろ製作者達に気付いてほしい改善点を勝手にまとめてみます。

まだウォーキングデッドを観たことがない方はコチラへ 


以下シーズン8迄のネタバレを含みますので、まだご覧になってない方はご注意下さい。



 

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 犯してしまったタブー、ポストアポカリプスドラマに必要なもの

ゾンビものの作品を描く上で、出演者の死は避けて通れません。
むしろ「あんなに強かったのに・・」とか「どうして彼のようなヒトが・・」的な、意外なキャラの死は、観客を作品にぐっと引き寄せる常套テクニックであり、そこに異論は全くありません。

しかしそこに必要なのは生き残った者たちへの希望。

単純なコトですが、誰かの死によって何かが報われなければ意味がありません。

『ウォーキングデッド』で言えば、
親友のシェーンを失うことにより、リックは現実の厳しさを知ります。
母であるローリーを失うことにより、カールは大人へと成長していきます。

マギーはその典型的な例で、
ハーシェルを失うことにより、グレンとの絆を深め、
ベスを失うことにより、アレキサンドリアを見つけ、
グレンを失うことにより、ヒルトップの長となっていきます。

一見報われてなさそうな人達もいます。

その代表的なのがダリルとキャロル。
メルルの死により只のならず者から解放されたダリルは、彼なりに仲間に溶け込んでいこうとしますが、ベスを守れず、ドワイドに裏切られ、グレンを殺させてしまいます。
一方キャロルは、ソフィアの死により弱い母親だった自分から解放されますが、その反動の末、カレン達を殺し、リジーを殺し、シーズン6の後半くらいからはもう殆どアサシンのように死に取りつかれていきます。

故に彼らは排他的となり苦悩に満ちていきますが、そんな二人の間に生まれてくるのがシンパシー。

私的には、この手のポストアポカリプスドラマではコレが一番大事なテーマなような気がします。

政治や宗教がない世界で、お互いがお互いを認め合い生きていく為に必要なモノは、最終的にはこの感情しかないんじゃないでしょうか?
そう考えてみると、劇中視聴者に人気なキャラクター達は皆、誰かの死により最終的に何かが報われている気がします。

しかし彼の死は、誰かに何かを与えたでしょうか?

リックやミショーンやダリル達は、それを乗り越え、更に逞しくなっていけるんでしょうか?

多分ヒューマニズム?性善論?的な事を伝えていきたいんでしょうが、教師でも聖職者でもない彼らが、秩序が崩壊した世界の中でそんな事に気付いていけるとは思えず、更に気付いたとしても、ソレ、面白いんでしょうか?

長尺のアメリカドラマに出てくる欠点が、少しずつ出始めてきたような気がしています。

まるで『LOST』の最後に近づいていってるような・・

文化的に自分達日本人には伝わりにくいんでしょうが、宗教的概念に基づく倫理観での展開はどうもあやふやなモノを感じてしまいます。

ましてやこの『ウォーキングデッド』のような、原始的な世界で人が生き抜いていく事の辛さを過酷なまでに表現してきた作品で、そんな究極のエクスキューズを使って盛り上げていくのは、ちょっと無理があるんじゃないでしょうか?

彼と引き換えに登場する、セディクの存在が安易にそっちの方向に向かわせて行かない事を願ってやみません。

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 今後の改善点『ウォーキングデッド』が面白くなるには?

もう避けられないであろう彼の死を踏まえて、『ウォーキングデッド』がもう一度面白くなる為に必要な改善点を勝手に考察してみました。

①人の結びつきを強くする

皆さんお気づきですか?
彼の死によって『ウォーキングデッド』の登場人物達は血の繋がりのある肉親が全ていなくなりました。
今までのシーズンを振り返っても、視聴者が釘付けになるタイミングは誰か登場人物達の肉親の死ではなかったでしょうか?
それがなくなってしまった以上、リック、ダリル、マギー、キャロル等、古くから登場している愛着のあるキャラクター達がもっと誰かと強く結びつかなければいけません。

リックにとってはミショーン、マギーにとってはイーニッド。
この辺のキャラが無駄死にしない様、もうちょっと温めてもらいたいものです。

ダリルとキャロルはそろそろ一夜を共にするぐらいしちゃってもいいんじゃないでしょうか?
まあ、その場合どちらかに死亡フラグが立つ事になるんですが・・

②性善説を捨てる

モーガンしかり、ジーザスしかり、アポカリプスな世界でこの手の事を叫ぶ人間はどうしてもウザく感じてしまいます。
こういうヒューマニズムは秩序があるからこそ成立する概念であり、「そんな事は言われなくてもわかってる!」んです。視聴者も。
なので、イチイチ台詞で入れず、ダリルのような苦しみを、キャロルのようなトラウマを少しづつ描写していけばいいんじゃないでしょうか?
そうする事により、彼らの苦悩に視聴者はシンパシーを抱けるようになり、遠のいてしまった自分達との心の距離が少しずつ近づいていける気がします。 

③ゾンビとの距離を近くする

ちょっと思い切った案かもしれませんが・・
自分が面白いと思ったゾンビ映画でジョージ・A・ロメロの三部作の最終章『死霊のえじき』という作品があります。
この映画で登場するゾンビの一人、バブは、若干知能が残っている設定で研究室で飼われています。
そしてそこで少しずつ飼いならされていくんですが、ある事件の後自由の身となり、その後、まるで人間のように人に対して喜びや怒りをうっすらと表現していきます。
観たことある方はご存知だと思いますが、あの様子、なんとなく愛おしく感じませんでしたか?

『ウォーキングデッド』の世界では、初めは脅威だった彼らがいつの間にか道具のように扱われています。

ゾンビと言えど、元々は人間。

そろそろそんな愛着のあるゾンビを一人くらいは観てみたくはないですか? 

④”フィアー”とのリンクをやめる

正確に言うと、リンクではなく「吸収合併」です。

スピンオフとして製作された『フィアー・ザ・ウォーキングデッド』
もうかける言葉もない程、出来が酷くなってきています。
テコ入れの為、モーガンがクロスオーバーする事が発表されましたが、多分効果は薄いんじゃないかと・・
なのでいっその事”フィアー”は終了させて、あっちにいる登場人物をまるごと本家に移動させてみてはどうでしょうか?

とここまで書いていたら、自分と同じ事を考えていらしたブロガーさんを見つけてしまいましたので、詳しい内容は、ミセスGさんのブログでご確認下さい。

www.realoclife.com


キャストのスケジュール調整が大きな課題の一つですが、共倒れになるよりはマシかと・・

⑤希望をつくる

一番大事なコトは、やっぱりコレのような気がします。

人道的だがそれをひけらかさないグレン。
長い葛藤の末、大人へと成長したカール。

この二人が消えてしまった事で、視聴者はどれだけ希望を失ったか・・

何でもない只の子供だった彼らが、いつの間にか逞しく成長し、お互いがそのパートナーを見つけてゆくその過程は、鬱屈としたゾンビドラマの中で唯一、青春ドラマを観ているような温もりを感じませんでしたか?

私的にはカールがリックの死を次いで、この『ウォーキングデッド』の世界で何か未来へと繋がる希望を創り出していく事を信じていました。。

弱い人間が、様々な人々と出逢って、強い人間になってゆく。

全てのヒューマンドラマにおいて、自分はコレが軸だと思っています。

なのでこれがないとこの先『ウォーキングデッド』はただのチープなアクションホラーになっていってしまうんじゃないでしょうか?

ダリルは精神論的にはそれに近いですが、あまりに不器用でカッコ良過ぎるのでちょっと親近感が湧きません。
キャロルは逞しくなり過ぎてしまい、最早ウォーキングデッド史上最強の戦士にしか見えなくなってきてしまっています。
他にも成長過程にあるキャラクター達は何人かいますが、今から彼らに感情移入出来るようになる為の時間的余裕はもうあまりないんじゃないかと・・

とすると考えられるのは、、

ジュディス。。。

シーズン8の初回に垣間見せた年老いたリック達の描写を覚えていますか?

私的にはあのシーンは未来の彼らの描写で、時間軸を一気に飛ばし、成長したジュディスの目線での世界を描く事で、新たな希望が生まれてくる気がします。


テレビドラマ史上、類を観ない長期間で放送されているポストアポカリプスドラマ『ウォーキングデッド』も、そろそろエンディングに近づいてきているのは明らかです。

なので最後くらいは有終の美として、安易なゾンビ解決論や宗教的な倫理観でうやむやにせず、そろそろ人間同士の深い繋がりに焦点を置いたヒューマンドラマな側面を早く取り戻してもらいたいです。

彼の死に報いる為にも・・

『ウォーキングデッド』シーズン8第9話の私的な感想はコチラ

 

『ウォーキング・デッド』シーズン8は、
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