Contact/1997(アメリカ)/150分
監督:ロバート・ゼメキス
主演:ジョディ・フォスター/マシュー・マコノヒー
宇宙映画の金字塔
自分にとってのNo.1の宇宙映画は『2001年宇宙の旅』でも『ET』でも『アルマゲドン』でも『エイリアン』シリーズでさえもなくこの作品。
今では少々チープに見えてしまう90年代後半のCG技術ですが、自分がこの映画を推す一番の理由はやはり、
宇宙人がいるなら絶対こうであってほしい!
の一言に尽きます。
宇宙モノのSF映画とは、人間の夢そのもの。
昨今の悪意あるエイリアンばかりじゃ、ちょっと世知辛すぎませんか?
とは言え『スター・ウォーズ』のような壮大な世界観では現実味をあまり感じられないという方達にうってつけなのがこの作品。
この映画にはそんな誰もが夢見る宇宙に、幼少期の頃から思いを馳せ続けた一人の少女の願いがたっぷり詰まっています。
―――子供の頃、「遠くの声を聴く」事に夢中だった少女エリーは、大人になり、その視線の先に見始めたのは広大な宇宙空間。
SETIプロジェクトの研究員となった彼女は日々遠くの星空に耳を凝らすが、資金繰りが苦しくなった事により計画は頓挫させられてしまう。
エリーは孤軍奮闘、スポンサー探しに躍起になるが、大企業は彼女のその投機的な事業計画に中々理解を示さない。
そんな中、ようやく見つけた風変わりな大富豪ハデンのバックアップの元、エリーはプロジェクトを再開させ、遂にその「声」をキャッチするのだが・・
カール・セーガンに捧ぐ
公開前年に死去した天文学者カール・セーガンの原作を映画化したこの作品には、それまでのような物質的なエイリアンは登場しません。
『メッセージ』でも描かれていた様に、もし広い宇宙に本当に生物がいるとすれば、それは人類の想像を超えたカタチでの出会いのはず。。
この映画はそんな人間の概念を超越した世界での、新たな出逢いを示唆しています。
その姿は正に理想的、かつ情緒的と言うか・・・
ストーリー展開も中々にスリリングで、その彼らを待ち受ける試練は即物主義的な現代社会と政治的宣伝活動の狭間で揺れ動き続け、エリーを益々孤立させていきます。
更に彼女を悩ませるのは科学に対峙する宗教の存在。
大多数が無宗教の日本人にとってはあまりにも理解し難い信仰の壁が、彼女たちの夢を幾度となく阻みますが、これこそリアルな宇宙開拓史を妨げる最大の要因。
ヒトは目に見えないものを何を基準に信じるのか?
このアイロニカルなテーマがSF映画にしては少々小難し過ぎて、派手なアクションシーンやエイリアンの登場を期待しているとちょっと眠たくなるかも。。
それでもなにより自分の心に残ったのは、エリーのこの台詞、
「so if it's just us…it seems like an awful waste of space.」
「もし、私達だけじゃ、この広い宇宙がもったいないわ」
このセリフが彼女にとってのキーワード。
横に寄り添う政府の宗教顧問パーマーも、この概念をエリーと共有しはじめる事により、次第に距離を縮めていきますが・・
そしてラストの見せ場は宇宙論を語り合う上で、それまで科学者らしく実証主義だったエリーの思考がパーマーの神秘的な宗教観に次第に重なり合っていくトコロ。
このあまりに哲学的な二人の繋がりは、未知の生命体との交流の果てに如何にして理解しあっていくのか・・・
そのロマンチックな関係はSF映画の域を遥かに超越した感動を視聴者に与え、最後にちょっとだけ出てくる“変なジャパニーズ”を忘れてしまうくらい、きっと心がときめく極上の作品です。
寡黙な男が貫いた夢の果てに辿り着く神秘的な宇宙空間の感想はコチラ
『コンタクト』は
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