マリブのブログ

ミネルヴァの梟は迫り来る黄昏に飛び立つ

Netflix『13の理由』シーズン3第6話の私的な感想―トニーの悲痛な叫び―(ネタバレあり)

13RW03-06-01

13 Reasons Why Season3 Episode6/2019~(アメリカ)
製作総指揮:セレーナ・ゴメス
出演:ディラン・ミネット、ジャスティン・プレンティス、アリーシャ・ボー、デレク・ルーク、グレース・サイフ、ブレンダ・ストロング他

 アメリカの高校生事情

・・うーん。。

なんだか今回の『13の理由』は、現代のアメリカの高校生実情にピンスポットが当たり過ぎてて、ちょっとよくわかんないのが多いな。。

アレックスやリチャードの様に、マッチョなボディを手軽に手に入れられるステロイドの使用は、どこまで実際の高校生の間にも浸透してるんでしょうか?

自分達の頃(90年代後半)は、その見た目への憧れよりも、ハゲやインポになる危険性の方が怖くて、手を出している学生の話は殆ど聴きませんでした。(運動部経験がないのでよくわかんないけど(^^;)

 

エスコートガールで性欲のストレスを発散させる様子は、大阪名物のマンヘルにハマる日本人の素人童貞の感覚と殆どいっしょ。。

だけど、大元のロリコン文化が薄いアメリカでは、メロディのようなセクシー系フッカーの元に癒されに行くのがごく一般的で、日本のJKリフレやアキバ系の美少女イメクラなんかは、アメリカでは大抵タブー視され、ハードポルノ系の店と同系列で扱われるのでご注意を。

 

ブライスがモンティーの暴行事件の担保に、ウィンストンから取り上げたフェイクIDは、昔のまともなアメリカの男子高校生達は、実際、ほとんど持ってましたw

煙草は18、アルコールは21からが一般的なアメリカ社会では、バーやクラブの入場時はおろか、街場のガススタで酒や煙草を買う時でも、大体このIDチェックが必須。

 

・・・けれど、、

 

見た目が特に若く見られやすい日本人の中で、自分は殆どコレにひっかかった記憶がなく、ホームパーティーの買い出しやパブでの注文の時なんかには、よくパシらされてた苦い記憶が・・

 

まあ、田舎町の方じゃ規制も結構緩かったので、大分大目に見られてたのか日本人の男自体に興味がなかったのか、よくわかんないけど。。

・・・いや、元からの老け顔じゃないと思うんだけど、・・多分、・・・きっと。。。

 

シーズン3第5話の感想はコチラ

 

以下、『13の理由』シーズン3第6話のネタバレを含んだ上での感想です。

まだご覧になってない方はご注意下さい。

 

 

 

 

13RW03-06-02

 悲しみ方でその人が分かる

取調室へと連行されていくトニー。
手錠をかけられ、明らかに他の生徒とは違う扱いを受ける彼は、その苛立ちを徐々に募らせていく。。

 

リバティー高の面々が集結するブライスの葬式当日。。
トニーの車がブライスの家で見つかった不安をアニに吐露するクレイを横目に、ブライスの父ハリーは、彼に厳しい視線を送る。。
しかしそのハリーに向けられた冷たいノラの視線には、彼は気づく事もなく。。。

 

レストランで食事をとるハリーと、その愛人の元へとやってくるブライス。
嫌み交じりにも、彼はおくびなく父との再会を喜ぼうとするが。。

離婚契約の後片付けに、ノラの元を訪れるハリー。
穏便に事を済ませ出ていこうとするハリーに、ハリソンは酷く寂しがり、彼は罵倒の言葉をするノラに浴びせかける。
彼は痛烈に祖父の悪態を非難し、母親を擁護する。
その彼の様子に強い安心感を覚え、ノラは息子の違わぬ愛情を感じる。。

 

アルコールが残るハリーが、ノラに連れられ親族席へと座ると、彼との再会を両手放しで喜ぶハリソン。
モンティーとも笑顔を浮かべハグをしているハリーの様子を眺めながら、クレイは息子を捨てた父親にも疑いの目を向け始める。。

 

ブライスの車の修理跡から、トニーとの関係性を追求するアレックスの父親。
やがて、頑なに転向後のブライスとの面識を否定するトニーに、彼が不法移民として働くトニーの同僚の件にその矛先を変え始めると・・
・・アレックスの父親はトニーの前科を憂慮し、その彼に向けられた嫌疑に手を差し伸べようとするが、弁護士の召喚を求めるトニーの姿勢が覆る事はなく。。

 

ブライスへの答辞を述べるザック。
彼はブライスの悪癖にしっかり言及しながらも、その彼の内に秘められていた正義心を称える。
そして彼が、大事な仲間の一人だった事も・・・

ノラは息子の悪事の実態に目を向けながら、彼との幸せだった頃に思いを馳せる。。

すると、参列者の中から突然立ち上がった少女が、ブライスのレイプを痛烈に批判。

騒然とする教会内で、ハリーは大声を荒げ、ノラは深く心を抉られる。。

 

新居の内装を壊されたハリーはブライスの元へ。。
激しく口論しあう二人の仲裁に入ったノラは、そこでハリーに隠し子がいた事を、ブライスから知らされる。。

 

父親によるブライスの殺害容疑に目を反らすクレイは、ブライス家でハリーの書斎を物色するも、その決定的な証拠は見つけられず。。
やがてアニから、車庫に残されたトニーのマスタングを見せつけられると・・

不安を募らせるクレイがトニーの家へ行くと、そこはもぬけの殻。。
やがて、ケイレブのジムで、トニーの家族が入管によって強制送還させられていた事を知らされる。。

 

コレクトコールで電話をかけてきた父が、サンディエゴの収容所にいる事を知ったトニーは、家財道具を売り払いその弁護士費用をなんとか捻出しようとするも・・
深い苦しみの中、迷惑をかけぬ様部屋を出ていこうとするトニーを、ケイレヴは愛情を持って繋ぎ止め、熱い抱擁を交わす。。

 

仲間に対するクレイの不信感が伝染したジャスティンは、ジェシカの元へ。
彼はそこで、改めてブライスに対する依存心を再認識し、涙を流す。
複雑な感情のまま、そんなジャスティンを抱きしめるジェシカ。。

ジェシカの一件で自暴自棄になり始めたアレックスは、タイラーとジムへ。
そこでアレックスに本格的なスパーリングを求められたタイラーは、脳に支障の残る彼をノックアウトしてしまった事に激しく動揺するが、それでも尚、彼は立ち上がり、タイラーに立ち向かおうとする。。

 

保釈が認められたトニーの元に駆けつけるクレイとアニ。
トニーは悔しさを滲ませながら、ブライスが店にやってきた日の事を思い返す。。

 

弁護士費用の工面に、途方に暮れているトニーとケイレブ。
そこへやってきたブライスは、マスタングの倍の値段で書かれたチェックをトニーに手渡す。。
彼の尊大にも思える態度に、トニーは憮然とその申し入れを突き返すも、ブライスの父親が彼を遠ざける為に支払われたその金の経緯を知ると・・・

隣人のアレハンドドロに送迎された妹のグラシエラを抱きしめるトニー。
二人が写る暗いガラスドア越しに、トニーの家族の姿が浮かび上がる。。

 

トニーが一人で背負い込んでいたその痛みを感じ取ったクレイは、彼を強く抱きしめる。
・・それはまるで、ハンナを失った時に自分を見失っていたクレイを、彼がしっかりと支えてくれた時のように。。

家族の大切さを改めて再認識したクレイは、家に戻ると徐に両親とハグを交わし、ジャスティンの写真を居間に飾る事を提案する。

 

・・ブライスの家の防犯カメラに残された映像を、食い入るように見つめている保安官達。。

そこには、ハンナの裁判の直後に、ブライスに銃を突きつけているクレイの姿が・・ 

 

 

 

13RW03-06-03

 ・・アニの毒舌ナレーションに圧倒され、めっきり存在感の薄くなってきたクレイがようやく日の目を浴びるのか・・・w

不安定街道まっしぐらな彼が、どう考えてもブライス殺しの犯人には思えませんが、ハンナ亡き後の主役の座に躍り出たはずの彼に、もう一度ピンスポが当たるのなら、もう容疑者候補でもいいのかも。。

 

ブライスのいい子キャラへの転身ぶりは、『ウォーキング・デッド』でリック亡き後ののニーガンのそれにそっくりな気もしてますが、裕福な育ちの割には、トニーの引き裂かれた家族への悲痛な叫び声なんかに鋭く気を回す、案外繊細な一面が見えてしまった時には、まんまとやられちゃいました。。

 

・・いや、本当の意味での家族を彼自身が探していたからこそ、そうゆうのにも敏感に察する事が出来たのでしょうか・・・?

 

そんなブライスの死を、アレックスの父親に煽られて「僕の人生で最悪の苦しみじゃないから」なんて嘯くトニーは、とにかくやるせない。。

それでも、ヒスパニック系の不法移民問題にまで風呂敷を広げてきた展開は、ちょっとそのデマゴーグが過ぎる気もしてきますが。。。

 

ブライスの父ハリーは、典型的な富裕層のオッサンらしい傲慢さが滲み出ている反面、酒や女でその弱さを紛らわす様子は、なんだか物凄くリアル

そんな彼の血筋をしっかり受け継ぎ、異母兄弟の存在に敵意を示すものの、それでもしっかり母親を守ろうとするブライスはあまりに健気で、彼がもし、生きてその贖罪を果たす事ができていたら・・、なんて、どうしても夢想してしまいます。

 

全体を通じて、ようやく探偵ごっこのようなクレイ達のメインストーリーに終止符が打たれそうになる中、今回ちょっと気になり始めたのは、意外にもモンティー

ブライスの葬式でハリーの元へハグを求めに行く彼の様子は、ホワイトカラーに迎合する事しか出来ないレッドネックの有様そのものの様にちょっと寂しくなりましたが、コーチにも打ち明けられず、更には同じ性癖のトニーをも小馬鹿にし、自らのカミングアウトにもどんどん障壁を作っていく彼には、この先大分深い闇が待っていそう。。

多様性の時代に、悪しき習慣と偏見に縛られ続ける彼は、『13の理由』の中で巻き起こる様々な問題の中でも、一番日の目を見る事のできない被害者のような気がしてくるんだけど・・

 

因みに、トニーとケイレブの会話の中に出てくる『モダンファミリー』は、アメリカのゲイカップルの様子と家族の在り方を描く代表的なコメディの様です。

この手のドラマはなんかサム過ぎる気がして、一度も手を出した事ないけど。。

シーズン3第7話の感想はコチラ

www.mariblog.jp

 

『13の理由』Netflixで観賞できます。 

www.netflix.co

sponsored link