マリブのブログ

ミネルヴァの梟は迫り来る黄昏に飛び立つ

Netflix『13の理由』シーズン3第8話の私的な感想―ポーターの再来―(ネタバレあり)

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13 Reasons Why Season3 Episode7/2019~(アメリカ)
製作総指揮:セレーナ・ゴメス
出演:ディラン・ミネット、ジャスティン・プレンティス、アリーシャ・ボー、デレク・ルーク、グレース・サイフ、ブレンダ・ストロング他

 大人と子供の心の距離

・・少し振り返ってみると、、

今回のシーズンは、だいぶ大人と子供の心の距離が離れている気がしています。

 

ブライスの両親は、倒錯していった子供の性癖を傍観する事しか出来なく、クレイの両親は妄想癖が深刻になっていく彼に危機感を覚えながらも、何故かジャスティンと二人だけの別室を直ぐに与えちゃうし。。

アレックスの父親は、警察の捜査ばかりで苛立ちを募らせる彼に向き合っている様子もなく、トニーの両親に至っては、幻で登場するだけ。。

極めつけは、上辺の会話しかできそうにないタイラーの両親ですが、いくらクレイ達が彼の襲撃未遂事件を隠ぺいしたとしても、生活環境が一変した息子の変化に、こんなにも鈍感なものなんでしょうか?

 

意図的に親子の対面シーンをカットしているのだとすれば、頑なに傍観者を決め込むアニの母親同様、思春期の子供に正面から向き合えない臆病な親世代に、このドラマはその実態を伝えてみたかったのでしょうか?

 

・・ハンナの死後、のたうち回る様に子供の心境の変化を調べ尽くしていたオリヴィアとアンディを懐かしく思うとともに、孤立化の歯止めの効かない日本人の核家族化が生み出す弊害の恐ろしさに、ちょっとゾクッとしてます。。。

 

シーズン3第7話の感想はコチラ

 

以下、『13の理由』シーズン3第8話のネタバレを含んだ上での感想です。

まだご覧になってない方はご注意下さい。

 

 

 

 

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 高校では誰が味方かわからない

前回からの直結。

不信感を拭えないアニは、クレイの部屋で彼と遭遇。
アニは、ホームカミングの日の夜のクレイのアリバイを問いただそうとするが・・


取り調べの日の朝、ノラと待ち合わせるポーター
彼はクレイの立件に向け、ノラとの秘密を守る事を約束する。。

両親やジャスティンの反対を押し切り、ノラの元を訪れるクレイ。
彼はそこで必死に食い下がり自分の無実を訴えていると、ノラの書斎に残されたブライスへの手紙を発見する。

追い詰められたクレイは、その息子に送ったノラの手紙をアニに見せた上で、ブライス殺しに母親が関わっていた可能性に言及する。
しかし、アニはクレイが自分の母親に会った事に激怒。
やがてアニが、警察でクレイとの関係を母親の前で否定した事を告げると、彼はアニとブライスとの関係を持ち出し、彼女に味方に付くように迫る。。

保安官と共にリバティー高に戻ってきたポーターは、クレイの仲間達と面談。
しかし、ポーターがクレイの病的な兆候を誘導するのにも怯まず、彼らは感情的だが正義感の強いクレイの真の優しさを頑なに信じ続ける。。
ポーターの姿を見かけ、彼がブライスの家にやってきた日の事を思い返すアニ・・

 

ハンナの裁判の一件から、ポーターに嫌悪感を抱くブライスは彼を激しく恫喝。
ノラはそんな息子の苛立ちに怖気づき、思わずポーターの前でその本音を漏らすと・・

 

クレイの影響を受けたアニは、ブライスの部屋を物色。
そこで学校で見た時のポーターの手にあった手帳と同じ物を見つける。。

アニからのリークで、ブライスがノラの手引きの元、ポーターのカウンセリングを受けていた事を知ったクレイは、彼と直接面談。
そこでクレイは、ブライスが愛情を感じない母親に対する酷いコンプレックスがあった事を知る。。

 

自分の存在を否定するかのように、ノラ目線からの胸中を手紙に書きだすブライス。。
やがて、孤独感を募らせていた自分の幼少期の思い出を振り返ったブライスに、ポーターはその本音を母親にぶつけてみる事を提案すると・・

ポーターの仲介の元、向かい合うノラとブライス。
ブライスの母親目線からの告白の手紙に、言葉を詰まらせるノラ。
やがて、彼女はその自分の生まれ育った環境からの過失を認めた上で、彼の母親でいる自信がなかった事を、涙ながらにブライスに訴えかける。。

・・ブライスは、ポーターに自分の歪んだ性癖を語る。。
そして、アニとのセックスの最中にも、その妄想が頭を霞めてしまう事も・・
苦悩するブライスに認知行動療法を勧め、ポーターはその彼の背負った心の瑕に真摯に向き合おうとするが・・・

 

ポーターの真意を知ったクレイは、言葉も出ず。。
そして、改めて揺るがないクレイの信念を称えるポーターは、タイラーの身に起こったトラウマの真相を、彼に察するように助言を加える。

部室で向かい合うタイラーとクレイ。。
やがて、クレイがタイラーの身に起こった悲劇を察するように言葉をかけると・・
タイラーは、モンティーから受けたレイプをクレイに告白。。
震えながら語り続けるタイラーを、クレイは力強く抱きしめる。。。

・・落ち着きを取り戻したタイラーは、モンティーの非道をブライスにも訴えた事を伝える。
そして、その彼が、親身になってそのトラウマから助け出そうとしていた事も・・

モンティーの元に脅しにやってくるクレイ。
しかし彼はそのモンティーから、ジャスティンの秘密を逆に聞かされてしまう。。

家族会議の場で、同伴した弁護士デニスから事の真相の追求を受けるクレイ。
彼は、モンティーの悪事を暴こうとその名を告げるが、タイラーの真相には触れず。。

やがてクレイは、ジャスティンの鞄から鎮痛剤を見つけ、その所有者の欄にはブライスの名前が・・・ 

 

 

 

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 ・・久々に登場したスクールカウンセラー・ポーターの存在で、また少し、ややこしくなってきました。。

でも、いくら追い詰められているとは言え、母親の手紙だけで息子の殺害を勘ぐるクレイは、やっぱりパラノイアにしか見えなくなってきてしまうけど。。

しかも、ハンナを救えなかったポーターに反感を持っているとしても、それだけで直ぐに彼に敵対心丸出しになるクレイは、かなりコワイ。。

 

ノラのブライスへの激白文は、正直、ちょっとひいてしまいました。。

いくら精神医療大国のアメリカとは言え、赤の他人にあそこまで子供への本音を漏らしてしまうものなんでしょうか・・?

自分なら、家庭事情も知らないヤツに、母親のキモチなんかを死んでも代弁したくないけどw

そんな極Mプレイさえも受け入れてしまう程、ブライスが弱っていたのであれば、まさしく、彼の抱えていた家族への不信感は想像を絶する程のトラウマだったのでしょう。。。

・・ヤバイ。。。

完全にブライスへの同情心が芽生えちゃってます。。

そもそも彼の父親が自分の父とそっくりなので、元々ブライスの辛さが少しわかっちゃう気がするんですけど。。。(^^;

そんなブライスが、クレアモント高の生徒と偽ってアニとの関係の相談をしているのは、なんだかちょっと微笑ましく思えちゃいました。。

 

タイラーの受けたレイプの激白シーンは、今回のエピソードの最大の見せ場。

・・思えば、これまでクレイ達は、タイラーの襲撃未遂事件の真相を知らなかったんですよね。。

ちょっと腫物扱いだったタイラーへの態度は、これで劇的に変化していくんでしょうか?

 

でも、やっぱり、、

自分なら、クレイには告白しないな。。

 

親友と思いたい相手に、あそこまで弱さを開放しちゃうと、絶対対等な関係には戻れない気がしてくるので。。 

更に、どんな状況であろうと、、

異性にレイプ被害や性癖を告白するのは、若いうちは絶対やめておいた方がいいでしょう。

・・アニの様に、同情とシンパシーが入り混じった感覚で、寄り添われても困るのでw

 

突然登場してきたポーターのおかげで、ブライス家の蟠りがすっかりオープンになったエピソードでしたが、それでもブライスの背負った十字架は相当に重い。。

それを、なんとなくノリで癒そうとしているアニには、十分注意をしてもらいたいですが、それでも思春期の頃の自分なら、やっぱりブライスみたいにハマっちゃうのかな。。

 

・・年経て思えば、この手の女子が一番身を滅ぼしかねない魔性の女だという事を、ブライスにはしっかりと教えといてやりたいw

 

・・ジャスティンが隠してたオキシコドン?・・あれ確か、モルヒネとおんなじ鎮痛剤じゃなかったでしたっけ・・・?

シーズン3第9話の感想はコチラ

www.mariblog.jp

 

『13の理由』Netflixで観賞できます。 

www.netflix.co

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