Fear the Walking Dead Season4 Episode1/2018~(アメリカ)
脚本:スコット・M・ギンプル、アンドリュー・チェンブリス、イアン・B・ゴールドバーグ
出演:レニー・ジェームズ、ギャレット・ディラハント、マギー・グレイス、 フランク・ディレイン、アリシア・デブナム=ケアリー、 コルマン・ドミンゴ、ダナイ・ガルシア
僅かな望みだけを託して・・
本家『ウォーキング・デッド』で悪評を轟かしたスコット・ギンプルが脚本を担当しているのがちょっとひっかかりますが、・・えっと、前回までどんな展開でしたっけ・・?
たしか、マディソン一行がわちゃわちゃ騒いでるダムにアリシアがギャングと一緒に遊びに来て、ダニエルが覚醒して、ニックがダム壊して、ストランドとアリシアがランデブーでしたっけ・・?
ああ、それでたしか、マディソンが夢うつつの中トラヴィスに助けられ、独り運河に辿り着くんだったような・・
メインキャストを意味なく突然退場させたり、視聴者が感情移入出来ないキャラを永遠と暴走させてみたりととにかく伝えたい事も正義も悪もごちゃ混ぜ感覚で意味不明過ぎるエピソードが多過ぎた前回のシーズンで二度とこのシリーズは見ない!と心に難く誓っていたんですが、やっぱり気になります・・w
噂ではかなり上々な出来栄えのようなので、僅かな期待を持ちつつちょっとずつ見てみようかと・・
とは言えこのシリーズにはこれまで散々裏切られて続けてきたので、もうそんなに多くは望みません。
私的にはウォーカーな世界でウォーカーなんて名前で登場するちょっとややこしいインディアンの彼、結構好きだったのでメインキャラに昇格してくれないかな・・なんて・・・
以下、『フィアー・ザ・ウォーキングデッド』シーズン4第1話のネタバレを含んだ上での感想です。
まだご覧になってない方はご注意下さい。
何があった?
森の中で小説を読んでいる男。
ふと誰かの気配に気付き、彼は暗闇に語りかけるが返事はない。
すると何処からともなくやってくるウォーカーを早打ちで仕留める男。
崩れ落ちるウォーカーの後ろからモーガンが姿を現す。
ジェイディスのゴミ山で隠遁生活を始めているモーガン。
ジーザス、キャロル、リックまでが説得に来るが、彼は無言を貫くまま。
やがて彼らの友情に耐えられなくなったモーガンは旅立つ決心をする。。
ジョン・ドリーと名乗る男は、白いグリップのリボルバーを持つ女を探している事をモーガンに告げる。
素っ気ない態度をとるモーガンを引き留め、自分の車で眠る様に説得するジョン。
ジョンにバレない様、夜中にこっそりと抜け出すモーガンだがあえなく失敗。
彼はジョンと共にストレンジャーに捕まるが、そこに装甲車に乗ったアルという女がやってきて二人を救い出す。
ジャーナリストを名乗る彼女は、助け出した代償に彼らのインタビューを要求。
ローラとの馴れ初めを喋り出すジョンとは対照的に、言葉を濁すモーガン。
そのまま立ち去ろうとする彼にジョンが声をかけたところで、再びやってくるストレンジャー達。
アンも装甲車を狙われ、3人は銃撃戦に突入。
早打ちのジョンとモーガンの棒術でストレンジャーを撃退した彼らはアルの装甲車へ。
少しづつ心を開き始めたモーガンは、道中でリック達と過ごした日々の事をようやく語り出す。
「仲間を失い、自分も失った」
というコトバを残し、再度一人旅立っていくモーガン。
フリーウェイのウォーカーにジャレッドの面影を感じ後を追うモーガン。
ストレンジャーとの戦いで足を負傷していた彼の側をジョンは離れようとしない。
ジャレッドのウォーカーを埋葬するモーガンの姿を見守るジョンとアル。
三度合流した3人はそれぞれの思いを胸に秘め、アルの装甲車へ。
すると道すがらで蹲っている女を見つける。
辺りを警戒しながらも、車を降りて様子を伺おうとする3人。
苦しそうにのた打ち回る女は、咄嗟にアルに飛びつく。
茂みから銃を構えて出てくるストランド、ルシアナ、そしてニック。
アルの喉元にナイフを突き付けるアリシアの瞳には、深い闇が広がっている・・・
・・この脚本、本当にギンプルが書いたんでしょうか・・?
全体的なトーンはおろか、ドラマの描き方まで大きく作風が変わっていたのでかなり驚きました。。
シーズン3迄の茶番が嘘だったかの様に、人物の僅かな感情の揺らぎをリアルに捉え初めています。
辛い現実にグレースケール風のフィルターをかけ、希望を持てていた過去を鮮明なカラーで描いていく演出も大胆な発想。
冒頭から新キャストの単独シーンを登場させてきたので思わずタイトルを見返してしまいましたが、リック、キャロル、ジーザス達の友情出演は本家のファンにはたまらないサービスカットでしたね。
今回は殆どモーガンがニック達に出逢うまでの紹介エピソードでしたが、本家の方での錯乱ぶりがちょっと鬱陶し過ぎた彼が、また再び人と心を通わせていく描写をかなり慎重に描いています。
そろそろこの主体性の定まらないモーガンに苛立ちを募らせる視聴者も多いでしょうが、幾度となく信念が揺らぎ続ける人間の心理描写は現実社会の中での自分たちとて同じ事。
共に生き抜く事のみがお互いを理解し合えるというストレートな切り口を、少ない台詞に愛情を込めて描いているのが結構しんみりときます。
おしゃべりだが早打ち名人のジョンと、凛としている様で愛嬌のあるジャーナリストのアルというこれまでのウォーキングデッドシリーズにはあまり居なかったタイプのキャラクターを登場させてきたのも、とても興味深いですね。
因みにアルを演じているのは著者が一番好きな海外ドラマ『LOST』の中でシャノンを演じていたマギー・グレイス。
まだあどけないわがまま少女だった頃の彼女を覚えている方には、何とも感慨深い成長ぶりです。
更にジョンを演じるギャレット・ディラハントも『ノーカントリー』、『ウィンターズ・ボーン』等にも出ているハリウッドきっての名脇役。
嫌われ者の代名詞の様になってしまったフィアーの主役?マディソンはワンカットも登場しませんでしたが、案外すんなり見れてしますw
このペースで立て直していってくれればシーズン9でリックが降板するニュースで心が折れかけた自分にとっては大いに期待できる展開になりそうです。
・・モーガン効果は意外に大きいのかもしれない・・・
シーズン4第2話の感想はコチラ
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