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『フィアー・ザ・ウォーキングデッド』シーズン4第11話の私的な感想―モーガンと愉快な仲間達―(ネタバレあり)

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Fear the Walking Dead Season4 Episode.11/2018~(アメリカ)
製作総指揮:ロバート・カークマン/脚本:アンドリュー・チェンブリス、アレックス・デライル
出演:レニー・ジェームズ、モ・コリンズ、ダリル・ミッチェル、アーロン・スタンフォード他

 キャラクターのバランス

フィラーエピソードでじっくり人物に焦点を当て始めた『フィアー・ザ・ウォーキング・デッド』。

本家のリックやダリルの様な人気キャラが絶滅してしまっているだけに、期待と不安が入り混じったフラットな感覚で見れるので大分興味深いです。

それでも前回のラストのアリシアには、やっぱり諦めずにせめてストランド達だけでも探そうとしてほしかったな・・

「人は諦めが肝心」

なんて言われるけど、チャーリーの贖罪まで背負い込んだアリシアには、ジョンやストランドのような気さくなキャラが回りに居ないと、どうにも息苦しそうで。。

 

冷静な視点のアルには、その情動を開放していきそうなジューン。

寂しがり屋のジョンには、気楽ないい加減男ストランド。

そう考えるとちょっと路頭に迷い始めたルシアナには、その道を示してくれそうなモーガンで丁度良かったような気もしますが。。

 

やっぱり不条理な世界で大事になってくるのは、人間関係のバランス

 

とは言え、艶っぽくなってきたルシアナとモーガンのラブストーリーなんて展開だけは絶対見たくはありませんが・・・w

シーズン4第10話の感想はコチラ

以下、『フィアー・ザ・ウォーキングデッド』シーズン4第10話のネタバレを含んだ上での感想です。

まだご覧になってない方はご注意下さい。

 

 

 

 

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 合言葉

嵐の中アリシアを探しているモーガン。

ウォーカーさえも吹き飛ばされていくその暴風雨の中、彼はトラックの荷台に一時的に非難する。
お気に入りのプロテインバーを見つけ、何時しか眠りに落ちてしまうモーガン。。

彼が目を覚ますと外は快晴の青空。
”トラックストップミシシッピ”と書かれた看板を見上げ、モーガンは自分が大分離れてた場所に運ばれてしまった事に気付く。
目の前にある休憩所の中に入ると、そこには大量の物資が。
更に置かれていた無線機からは女の声が聴こえている。
モーガンが恐る恐るそれに答えると、彼女は、

「好きなものを持って、好きなだけいていい」

と言い、そのまま音信が途絶える。

 

言われたとおりにモーガンが身支度を整え、障がい者用トイレで用を足していると、ドアの外から銃の装填音が聴こえる。
慌てて扉を開くと、そこにはライフルを突きつけた車椅子の黒人男の姿が。
やがてジーンズキャップの白人女性も現れ、ふたりは自分たちを双子だとモーガンをからかう。

ウェンデルとサラと名乗る二人は、崩壊した後の世界でも生存者に補給品を配り続けている長距離ドライバーだった。

モーガンは二人にテキサスまで送ってくれるように頼むが、彼らは自分たちの流儀を曲げない。

それは、困っている人たちに手を差し伸べ、そして爆走を続ける事。。

モーガンは乗用車を調達し、アリシア達の元にへ戻ろうとするが・・

テキサスまでの道中、彼の頭を不安が霞める。。

それはそれまで彼が助けられなかった、人々への怯え。

モーガンは踵を返し、シーバーでウェンデルに橋が崩落していたという嘘の事実を告げ、彼らと再び合流しようとする。

サラに伝えられた合流地点へ向かうモーガンは、鉄塔の下でウォーカーに襲われている男と遭遇する。
両手を縛られ誘拐されていた彼は、自分がビール造りの名人である事をモーガンに告げる。
しかしウェンデルたちと合流すると、顔色を変え逃げ出そうとする男。。

ウェンデルとサラは、物資の詰まったトラックを盗んで気ままな旅を続けている放浪者だった。
二人はモーガンとジムと呼ばれるその男を拘束すると、そのままアレキサンドリアのあるバージニアに向けてトラックを走らせる。
しかし道中の橋の先で崩落した道路でスタックした彼らは、荷物を下ろし始める。
ビールを提供する事で取引をしたジムはその拘束を解かれるが、モーガンはそのまま。
やがてビールの冷却器を取ろうとしたジムに押され、モーガンはウォーカーの蠢く下の道路へと転落。
置き去りにされた車のボンネットに上り、なんとか一命を取り留めた彼に、アレキサンドリアへの道のりを教える様に詰め寄るサラ。
モーガンはその情報を彼らに伝えるが、敢えて危険を冒そうとしないウェンデル達は彼を助け出そうとはしない。
モーガンは悲嘆に暮れながらも、

「アンタも自分の本性を隠していた。仲間を見捨てたのはお互い様」

というサラのシーバー越しの言葉が、アタマを駆け巡る。。

 

夜になり、シーバーでウェンデル達に告解を始めるモーガン。
彼は自分が臆病者だった事も認め、仲間に必要なものを与えられなかった無力さに怯え始める。

やがて満を持してウォーカーたちに取り囲まれた状況から抜け出したモーガンは、三度ウェンデル達と再会。

彼らは嘘の情報を教えたモーガンを道端で待ち構えていたが、モーガンは彼らが自分と一緒でなければアレキサンドリアには連れて行かないと告げる。
更には彼らが盗んだトラックの持ち主の様に、道路に救援物資を置き続けていく事は無駄ではない事も・・

 

ウェンデル達は仕方なくモーガンの指示に従い、彼らは道路標識毎にダンボールを置きながら、テキサスへと戻ってゆく。

シーバー越しにトラックの持ち主にメッセージを送り続けるモーガン。

 

しかしその無線を、モーガンが最初に辿り着いた休憩所で耳を傾けている女の姿があった。。
 

 

 

 

 ・・何だかまた随分優しいエピソードを盛り込んできましたね。

期待していた通り、南部臭漂う新たなキャラクター達も加わり、モーガンの迷いに更に拍車をかけてきています。

車椅子生活で生き残り続けた黒人ウェンデルと、レッドネックそのままのサラのコンビは、ファームサイド出身の典型的なアメリカ人のステレオタイプ。

やっぱりナイーヴモーガンは“モーモー”なんてあだ名にされちゃって少々戸惑い気味ですが、この貧しいからこそピュアな精神を持ち合わせている二人は、根っこの部分ではモーガンの心理に近い様な気もしてきます。

 

崩壊した世界での現実論を突き進む彼らを、モーガンはどこまで導けるのか?

 

更にジム役で登場してきたアーロン・スタンフォードはドラマ版『NIKITA / ニキータ』で人気を博し、こちらも同じドラマ版『12モンキーズ』では主人公のコールの座を射止めた人気急上昇中の連ドラ俳優。

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そんな彼の役どころは、ゾンビアポカリプスの世界になっても崩壊前の世界での夢をあきらめきれずにいるなんとも憎めないキャラクターです。

 

・・私的にはこの手の登場人物をずっと待ち望んでいました。

だって、自分もどんな世界になっても、現実での夢はきっと忘れられないだろうからw

 

ましてやそんな彼の夢が、この退廃的な世界でもビールを作る事って、なんかスバラシ過ぎませんか?

 

どんな状況でも人間は、ただ生き抜く事だけでは満足できません。

娯楽や音楽が何時の世もあり続けるのは、そんな人間性の証

 

ダメ男のアル中ストランドだけでは幾分つまらな過ぎたので、人間味あふれるキャラクターが続々増え始めた今回のシーズンはかなり期待が持てます。

ラストに登場するブードゥー教の呪術師のようなオバチャンは、少々アメコミチックに見えてしまうだけにw

・・闇深いダニエルももうちょっと辛抱していたら、その辛気臭さを吹き飛ばしてくれる彼らに出会えたのになぁ・・・

シーズン4第12話の感想はコチラ
www.mariblog.jp

 

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