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ミネルヴァの梟は迫り来る黄昏に飛び立つ

『フィアー・ザ・ウォーキングデッド』シーズン4第14話の私的な感想―ジンボーの消せない夢―(ネタバレあり)

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Fear the Walking Dead Season4 Episode.14/2018~(アメリカ)
製作総指揮:ロバート・カークマン/脚本:アナ・フィシュコ、シモサワ・シンタロウ
出演:レニー・ジェームズ、マギー・グレイス、ギャレット・ディラハント、ジェナ・エルフマン、アーロン・スタンフォード他

 行き詰ったオトナたち

・・モーガンの人道主義にだいぶ嫌気がさし始めた今日この頃。。

 

へそ曲がりなんでしょうか・・?

この手の学級委員タイプのキャラにはどうしても好感が持てません。。

 

それにくらべて、、

ストランドの情けないコト。ジョンの惨めなコト。。ジムの蒙昧なコト。。。

 

やっぱり世界が崩壊しちゃったら、この辺のダメンズたちが立ち直っていくトコロをそろそろ見たくありませんか・・?

 

ローラ改めジューンに好感が持てたのも、隠遁生活の末に睡眠障害を患っていたジョンを一瞬でも救い出してくれたから・・

お人好しモーガンはアポカリプスな世界になったが為に倒錯しまくってますが、まともな社会ではきっとそこそこのイクメンパパになっていたような気がしてどうも上手く感情移入出来ません。

3話で突如退場してしまったニックも、12話で切ない女心が発覚してしまったアルも言ってしまえば、日常生活の中では間違いなく問題を抱えてたであろうバックグラウンドが垣間見えるからこそ愛情が湧きます。

・・それは9年前、本家で浮気妻との間に確執が見え始めていたリックとて同じ事。。

 

ジェーン・ドウの解剖』の脚本家コンビが、ヒンドゥー教のカルマの法則まで持ち出して人の業を伝えたいのなら、やっぱり元々が罪深いキャラクターで説明してもらわないと。。

なのでやっぱりモーガンはあくまでも傍観者という立ち位置で、新キャストを中心にした行き詰った生活を送っていたオトナたちの成長を見守っていけたら嬉しいんだけどな。。

ようは、自分のコトです・・w

シーズン4第13話の感想はコチラ

以下、『フィアー・ザ・ウォーキング・デッド』シーズン4第14話のネタバレを含んだ上での感想です。

まだご覧になってない方はご注意下さい。

 

 

 

 

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 距離標54

距離標54の国道で事故を起こしている車。

マーサの夫は腹部をガードレールに貫かれて意識が朦朧としている。
重傷を負った夫を励ましながら、マーサはやってくる車に何度も助けを求めるが、彼らはそのまま通り過ぎていく。。
一晩が過ぎ、ウォーカーと化してしまった夫を見詰め悲嘆に暮れるマーサ。
彼女は止む無く夫に止めを刺すと、近くの木の下に埋める。
そして無慈悲な神を呪いだしたマーサは、トラックで物資を置き続けている人々を次々に襲い始める。。

やがてその支援を始めた者の名を知ったマーサは、トラックのシーバー越しに彼の名を呼ぶが、それに答えたのは”トラックストップミシシッピ”にまで連れてこられてしまったモーガンだった。。

 

マーサの運転する装甲車に襲われたモーガンたちは荷台から脱出。
銃撃によりオイルの漏れたトラックはそのまま大破するが、サラ、ウェンデル、ジム達もその寸前のトコロで車から飛び降りる。
アスファルトに倒れ込んだままマーサを狙撃するウェンデルだが、彼女は難なく逃走。
やがて爆発音におびき寄せられた無数のウォーカーたちが、モーガンたちの元へ近づいてくる。

アリシアとチャーリーがトラックにまでやってくると、既にモーガン達の姿はそこには無い。。

 

ウェンデルを椅子に乗せ引き釣りながら、彼らがやって来たのは街外れの病院
やがてそこにも集まり始めたウォーカーを前に、モーガンは次の選択を迫られる。

人助けを憎むマーサの心情を察したというウェンデルに、質問を投げかけるアル。
彼は自分が車椅子になった過去を語り出した上で、それでも人助けを続ける為に海兵隊に志願した信念をぶっきらぼうに吐露する。

モーガン達の安否を気遣うチャーリーに、アリシアは彼らの後を追う気がない事を告げる。
そして未だ海を見たことのないチャーリーを、ガルベストンに連れていく事が自分に残された唯一の出来る事だと。。

ジムは蟠りを持ちつつも、自分を救い出したモーガンにようやく礼を述べようとするが、その同じタイミングでウォーカーを食い止めていたバリケードが崩壊。
彼は一変して自分たちを病院に導いたモーガンを責め出すが、意図せずともがなモーガンは皆にも次の判断を煽られるようになる。

階段を上りゆくも、どのフロアにもウォーカーは溢れかえっている。
行き場を失くし上へ上へと進み続けるモーガンたち。
ジムは迫るウォーカーとの格闘の末、ガラスドアを突き破ってしまう。
八方塞がりの中、ジューンの提案で最上階に残された非常用発電機に頼みの綱を託すモーガンたち。
先にその防災倉庫に辿り着いたアルとサラは、発電機を回そうとするもウォーカーが迫ってくる。
やがてアルは、サラにウェンデルの元へ戻る様に告げ一人部屋に立て籠もるが・・

間一髪のトコロで動き出したエレベーターに乗り込むモーガンたち。
そのまま屋上へとやってくるが、サラが呼びかけるシーバーにアルは応答せず・・

一息ついたトコロで、ジューンがジムの傷を処置しようと彼の服を捲ると、そこにはウォーカーの噛み後が・・

やりきれない思いのまま気が動転するジム。。

ショックを隠し切れないモーガンはそのまま宙を仰ぐ。。。

ジューンはそんなモーガンを励まそうと、彼の咄嗟の判断を擁護しようとするがその声は彼に届かず。。

 

茂みの中、海へと辿り着く為の移動手段を探しているアリシアとチャーリー。
モーガン達を見捨てた事に心が晴れないチャーリーは、アリシアに疑問を投げかける。

「彼らを捜しに行って私たちが死ぬかも。だからガルベストンに行こう」

とチャーリーを諭すアリシア。
そしてそれが今の自分に出来る、唯一の善業なのだと。。

やがて氾濫した川沿いに辿り着いたチャーリーは、偶然にもそこに流れ着いていたジョンのカウボーイハットを見つけ拾い上げる。。

 

 

 

 ・・たまりません、こーゆーの。。

日本人の脚本家ならではの情緒とゆうか、なんというか。。。

ようやく説明された狂乱オバサン事マーサの過去エピは、少々尺が短すぎるので何とも言えませんが、ようやく全てのメインキャラの行方が繋がり始めました。

 

それでも、、、

ここにきて、ジムの退場はなんとも惜し過ぎます。。。

正に夢半ばで彼のアメリカンドリームがココで絶たれてしまうとは・・・

ゾンビワールドだというのに、他人の事には目もくれず己の夢の実現のみに固執していた彼の顛末は、ちょっと予想出来てしまっていたけれどさすがにショックが多き過ぎます。。。

 

・・・えっと、、

 

一見エゴイストの塊の様な彼の不運を説明しておくと・・

 

ジムは現実世界では人に騙されまくった惨めな男

それが、アポカリプスワールドでようやくその生き甲斐を見つけられる道半ばでした。。

モーガンの人道主義に懐疑的なのも、直ぐに人を否定してしまうのも、その全ては彼が実生活において盲目なまでに夢を追い求め続けていた結果。

彼の死によってようやくはっきり分かりましたが、どうも夢想家な人間はこの世界では生き残れない様です・・w

ましてや、その最後にモーガンの闇を更に深めてしまうとは・・・

 

それでも唯一希望を持てたのはアリシアとチャーリーのくだり。

絶望の果てに個人主義に走りかけていたアリシアに、氾濫した川を彼女自身の闇を取り払うビーチに見立てて笑顔を見せるチャーリーって、なんて健気なんでしょう!

ラストシーンのそのふたりの目線の先にはジョン達が居る事はもう明確ですが、この人が希望を失いかけるギリギリのトコロでココロを繋げていく脚本は本当に見事。

 

消息不明となったアルも、自分の生き写しの様なジンボーが退場しそうなだけに、必ず生き残ってくれている事を強く願います。

・・だってアルもサラの心に自分の過去の過ちを見たが故に、ウェンデルの元に戻させたんですから・・・

 

因みに、エンドロールに流れる「ドウェイン・ヒービスカに捧ぐ」とは、長年彼らの現場に携わっていた亡くなった車両部の方への哀悼メッセージの様。

トラックで人間らしさを残し続けていたクレイトンの存在は、現場愛を注ぎ続けてきた彼の生き様を丸々投影させたエピソードだったのでしょう。。

シーズン4第15話の感想はコチラ 

www.mariblog.jp

 

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