マリブのブログ

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Netflixドラマ『13の理由』シーズン2第3話の私的な感想―ジェシカ達の瑕―(ネタバレあり)

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13 Reasons Why Season2 Episode3/2018~(アメリカ)
製作総指揮:セレーナ・ゴメス
出演:キャサリン・ラングフォード、ディラン・ミネット、ジャスティン・プレンティス、アリーシャ・ボー、ロス・バトラー、マイルズ・ハイザー

 脅迫者の真の目的、トラウマの癒し方

ハンナの死の真相に疑問を投げかける生徒達に、プレッシャーをかける存在の真意が分からなくなってきました。

タイラーやジェシカ、アレックスには強めの脅迫。

クレイには難解なポラロイド写真。

しかしコートニーが出廷する際には、一切の脅迫を受けていません。

 

・・どうも、脅迫者は複数いるようですね・・・

 

更に、シーズン1で見せてくれた唯一の希望であるクレイとスカイの関係にもひびが入り出し、再び校内に暗雲が立ち込めていく中、永遠に美化されたトラウマに縛られたままのクレイは如何に救われていくのか・・

未熟な精神の時に抱えた心の瑕の癒し方を、ゆっくりでもいいので確実に定義していってもらえると、幼かった頃の自分の苦い思い出も少しは報われる気がするんですが・・


 シーズン2第2話の感想はコチラ 
 

以下『13の理由』シーズン2第3話のネタバレを含んだ上での感想です。

まだご覧になってない方はご注意下さい。



 



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 酔った尻軽女

スカイに後ろめたさを感じつつも、ハンナとの思い出を追想してしまうクレイ。
ようやくスカイと面会に漕ぎ着けたクレイだったが、二人の関係の修復には至らず。。
そしてスカイが最終的に出した答えは、お互いの問題に自分自身で向き合う為に別れるという判断。。。

アレックスは自分も脅迫を受けたことにより、ジェシカの心中をようやく察する。
謎の車に襲われたクレイも加わり、ブライスを追いつめる為、二人はジェシカにレイプ事件の真相を公表するように懇願するが、彼女は決断出来ない。。

裁判所に集まったメディアを通じ、ハンナのイメージの回復をオリヴィアに進言するジャッキー。
しかし彼女は3人目に召喚されるジェシカの発言に希望を託し、やがて法廷が開かれる。。

 

 ・・とうとうクレイとスカイの間に決定的な溝が生まれてしまいました。

「ハンナを思う気持ちから逃げないで」

なんて言えるスカイの器の大きさには、子供ながら感心してしまいます。

・・出来る事なら、同じ心の瑕を抱える者同士、もう少し上手く寄り添い合えなかったのでしょうか・・?

正しくこれこそが十代の性。。

・・若かりし頃の自分の思い出が、走馬灯の様に過ります。。。

 

数学の授業で張られていた自分を貶める写真を手に、学校での女性に対する偏見を声高に法廷で叫ぶジェシカ。
ハンナのテープにあったレイプ被害を受けたもう一人の女子が彼女であったことに確信を持ったオリヴィアは、弁護士のデニスにその事実を糾弾する様申し入れるが、学校の過失を問う裁判の証拠にはならないと否定。


ジェシカはハンナとアレックスとの3人の関係が微妙にすれ違っていった経緯を法廷で述べ、アレックスのリストとそれを野放しにした学校がハンナを追い詰めたと主張するが、学校側の弁護士はそれはハンナ自らの嫉妬が原因であると否定。
レイプ被害を受けた自分の真実を告げられず、言葉を返せないジェシカ・・

彼女を気遣うオリヴィア。オリヴィアに謝り続けるジェシカ。
アレックスはそんなジェシカに寄り添おうとするが、彼女は思わず逃げ出してしまう・・・

 

 ・・ジェシカの受けた心の瑕があまりに深く、そしてその癒されぬ瑕を未だ一人で抱えこんでいる彼女の胸の内が痛い程伝わってきます。

レイプ被害を受けた女性の心境を見事に表現していて、その出口の見えない様・・・

想像を絶するこの苦悩には、もう、言葉が出ません。

 

次々と明るみに出るハンナの軽はずみな行動にショックを受けるクレイは、亡霊の様に付きまとうハンナの幻覚に逆に励まされてしまう始末。
思い悩むクレイはジェシカを励ましに行った彼女の家で、ジャスティンから送られてきていたポストカードを見つける。。

ターゲットになりつつあったタイラーにはようやく、サイラスという友人の存在が・・
彼のゴス仲間に囲まれ、居場所を見つけていくタイラー。
サイラスの家にも招かれるようになり、アウトローな彼らの家族に徐々に影響を受けていく。。

クレイは久しぶりにトニーに相談を持ち掛け、二人はジェシカの事件の唯一の証人になるジェスティンを探しオークランドへ。
ストリートで乞食の様に暮らす彼を見つけだしたクレイ達だったが、荒れ果てた自分の家庭には戻る事を拒否するジャスティン。

クレイの家ではようやく子供の成長を認め彼に車を与えるが、そんな両親の期待とは裏腹に、彼は居場所のないジャスティンを自分の部屋に隠れ住まわせてしまう。。。

 

 ・・ジェシカの持つ劣等感と、貧困家庭で喘ぐジャスティンの苦しみが差別社会の実態を薄っすらと漂わせます。

何気ない大人の助言にも、コンプレックスを抱く少女達は戸惑い、それを上手く受け入れられず。。

ジェシカの呟く、

「女子の友情に男子はいつも水を差すけど、結局は女子がそれを許しているの。」

という台詞には、アレックス同様、未熟だった自分たちの自己主張の仕方のズレを僅かに感じてしまいました。

そして、、

揺るぎない勝者だったブライスにも裁判への緊張感が見え隠れし、ハーバードに合格したマーカスにさえも、市議会議員の父の世間体に怯えている様子が垣間見えます。 

 

揺れ動く心は、幼気な十代には万人に共通。

 

強くありたいと切に願っていたあの頃が、ふと懐かしく思い出される切ないエピソードでした。

シーズン2第4話の感想はコチラ


『13の理由』
Netflixで観賞できます。 

www.netflix.com

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