マリブのブログ

ミネルヴァの梟は迫り来る黄昏に飛び立つ

『ウォーキングデッド』シーズン9第1話の私的な感想―終わりの始まり―(ネタバレあり)

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The Walking Dead Season9 Episode1/2018~(アメリカ)
ショーランナー/脚本:アンジェラ・カン
出演:アンドリュー・リンカーン、ノーマン・リーダス、ローレン・コーハン、メリッサ・マクブライド、ダナイ・グリラ、カリー・ペイトン

 待望のシーズン9がスタート!・・のハズが・・・

遂に、やっと、とうとう始まってしまいました。。

この日の為にクソつまらない仕事をさっさと終わらせ、ようやく集中してTWDに情熱を注ぐ準備が出来ました。

なので本来なら、

「ようやく始まってくれたよ!ウチのメインコンテンツ!アタマがワルイ事が駄々洩れの堅苦しい文章のこのブログで唯一、気兼ねなくありのままで書けるネタなのに!」

的なノリノリのテンションで書いていきたいのですが、やっぱりウォーキング・デッドからのリックの退場がアタマからこびりついて離れません。。

 

思い返せば、シーズン8の後半戦開始時もこんなキモチでしたね。。

昨年のエイブラハムとグレンの死から雪崩の様にいいヒトキャラが死んでいく中で、皆の心の支えだったカールまでが死亡し、とうとう主役のリックまで退場してしまうこのドラマで自分たちはどこに希望を持てばいいのでしょうか?

 

原作者のロバート・カークマンは、

「アメイジングなプランを考えています。リックを愛し、ウォーキング・デッドの世界を愛している人なら誰もが見たいと思っているものをお届けします。」 


なんて表面上は言ってますし、IGNのインタビューでショーランナーのアンジェラ・カンは、

「我々にとって新たなテリトリーです。彼(リック)は番組の入り口となったキャラクターです。ですが、本作は個性豊かなキャストを擁していますし、何年も追いかけている中心的キャラクターたちによる美しいシーンもあります。リックはこれらのキャラクターと興味深く、深い関係性を築いてきましたし、リックが人々の人生に大きな影響を与えたことがわかると思います。―中略― もちろん、期待は大きいですし、人々を失望せずに済むことを祈っています。皆さんが我々に付き合ってくれることを祈っていますが、本当に信じられないほどエモーショナルな旅路ですし、演技やすべてのプロダクションは素晴らしいものです」


なんて視聴者のショックを大分和らげるようなコメントまで出しているので、もうそれを信じるしかありません。。

 

それぞれの理由で退場していった歴代のキャラクター達も、この前代未聞の主役の降板劇に好意的なコメントを寄せていますが、どうも色々と勘ぐってしまいます。

 

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Gさんおすすめの『ハンドメイズ・テイル』や、巨額の製作費をつぎ込んだJ・J・エイブラムズ製作総指揮の『ウェスト・ワールド』等の新しいアポカリプスドラマの台頭により大分水をあけられ続けている中、フランク・ダナボンから受け継がれてきた『ウォーキング・デッド』のバトンをアンジェラ・カンは何処へ持っていくのか・・?

なんて壮大なクリフハンガーに踊らされさながらも、自分たちは正にWalking Dead(生きる屍)状態で彼らが辿り着く新世界の様子に付き従っていくしかありませんw

 

その新たな第一章が、いよいよ幕を開けます。。。
 

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以下、
『ウォーキングデッド』シーズン9第1話のネタバレを含んだ上での感想です。

まだご覧になってない方はご注意下さい。



 

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 新たなる始まり

それぞれのコミュニティーで生活をしているリック達。

太陽光発電を始めたアレキサンドリアでは、ちょっぴり成長したジュディスがミショーンに見守られながら絵を書いている。
カラスの大群を見詰めながら穏やかな様子の3人。

 

ニーガンの本拠地だったサンクチュアリを指揮しているのはダリル。
レジーナやローラ等の元救世主幹部に加え、そこにはテンガロンハットを被ったユージーンの姿も。
不作が続く中、アラットが案山子代わりにウォーカーを吊るしているのを発見したダリルは、無言でその息の根を止める。

ユージーンからタラへ、タラからジーザスへ、それぞれのコミュニティーは連絡を取り合い、サンクチュアリの食糧不足を解決する為、街へと繰り出していく。

リックとミショーンは、ダリル、マギー、キャロル等と共に美術館へ。
イーニッドやゲイブリエル、エゼキエルやジェイディスに加え、オーシャンサイドのシンディ、元救世主捕虜のアルデンもその一行に加わっている。

各々中を物色し始める一同。

口から蜘蛛を吐き出すウォーカーに怯えるセディク。
すっかり物怖じしなくなったゲイブリエルは、ダーウィンの進化論の過程に準え、ウォーカーを磔にする。
アンの機転で輪作する為の植物の種を見つけるリックたち。
彼らは農耕道具を中心に美術館から運び出そうとするが、1Fのガラスの床に亀裂が走ったことにより、エゼキエルが落下してしまう。

リック達は皆で協力して彼を間一髪のトコロ救い出すが、そんな彼の元に即座に駈け寄ってゆき、熱く唇を重ね合わせるのはキャロル

 

帰りの道すがら、馬上から突然キャロルに指輪を差し出すエゼキエル。
あきれながらも、キャロルは彼のそんな子供心に優しく微笑む。

橋の崩壊の為、サンクチュアリかヒルトップで一夜を明かす事を強いられるリック達。

ダリルとミショーンの援護の元、馬車から積み荷を降ろし彼らは退却をしようとするが、ヒルトップの鍛冶屋の息子のケンは、馬たちを助けようとし、ウォーカーに襲われてしまう。

ケンの腕を握りしめ、彼に止む無く止めを刺すマギー。

 

彼女はその夜ケンの両親の元へ謝罪に出向くが、未だ救世主たちへの憎しみを抱え続ける彼らは、それを受け入れる事ができない。
悲しみに暮れる中、アルデンの唄う「The Last Rose of Summer」の歌声で、ケンの追悼式を迎えるヒルトップ。
グレゴリーの雄弁なスピーチにジーザスまでが感銘を受ける中、彼はケンの両親にマギーへの不満を吐露し始める。
やがて父親に悪知恵を仕込みだすグレゴリー。

 

ダリルに連れられサンクチュアリにやってくるリックとミショーン。
住民たちの大半はリックに好意的だが、中には不信感を募らせている者も・・
「俺たちはまだニーガンだ」
と壁になぐり書かれた落書きを見つけ、ダリルはジャスティンに消すように指示を出すが、彼もまたどこか反抗的。

ダリルはリックに自分の本心を伝える。

大所帯を抱え続ける生活に疑問を感じていたダリルは、救世主たちの指揮を降り、マギー達の元で暮らしたいと・・

キャロルはダリルにエゼキエルからプロポーズを受けた事を告白し、ダリルの代わりに、サンクチュアリの指揮を執る決断を告げる。
ひっそりとダリルの肩に寄り添うキャロル。

 

息子のハーシェルを寝かしつけているマギーの元にやってくるグレゴリー。
彼はグレンの墓が荒らされていたというデマを告げ、マギーを墓場へと誘い込む。
そこに待っていたのは、酒の勢いで歯止めが効かなくなっていたケンの父親。
マギーは彼に襲われそうになるが、寸前のトコロで駆けつけてきたイーニッドとアルデンにより助け出される。
彼を差し向けたグレゴリーの元に詰め寄っていくマギーは、追い詰められた末に敵意を剥き出しにしてきた彼にある決断を下す。。

 

エゼキエルはキャロルが友を助ける為の決断を尊重はするものの、落胆の色は隠しきれない。

 

翌朝、ダリルと共にヒルトップを訪れたリックは、サンクチュアリの住人の為マギーに橋の修繕の協力を願い出るが、彼女の眼差しは冷たいまま。。

マギーもまた、ニーガンの蛮行に憎しみを消せないひとり。。

彼女は暗にリックがこれまで勤めていた全権指揮の譲渡を仄めかし、闇夜の中、グレゴリーの処刑が執行される・・
 

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 ・・OP も刷新され、新たなエピソードの始まりを予期させるスタートでした。

細かいキャストに至るまで少しずつでも登場させ、9か月経ったコミュニティーの成長の様子に上手く絡めてきています。

ウォーカーも年代を感じさせる中々に凝った造形で、朽ち果てる寸前のその個体の様子はかなり不気味で、ガラスの床の下に蔓延るウォーカーの発想等も、シンプルですが絶妙な緊張感を引き立たせてくれています。

「さすが、アンジェラ!」

と唸らせてくれるそれぞれの端的な台詞も印象的。

美術館に展示されているカヌーを見詰め、弟を思い出していたシンディーに、

「兄とは喧嘩しかした覚えがないが、ここにはいない者達とも共に戦った思い出は今も残っている」

なんて励ますダリルには、ハニカミながらも随分自然に優しさを見せられるようになってきましたね。

視聴者が待ち望んでいた?キャロルとエゼキエルの進展具合、キャロルとダリルの永遠の友情もしっかり描かれていますが、すっかりリック達に馴染んでいたアンことジェイディスの様子には、まだ苦笑いが零れてしまいます。

 

そしてそんな中でも、一番心境に変化が起こってきているのはやっぱりマギー


当然と言ってしまえばそれまでですが、彼女のニーガンへの憎しみは消えていません。

母になった彼女がより自信をつけてきた事により、各コミュニティーが思い描く内面的な心境が浮き彫りになってきそうではありますが、そこで気になるのはそれぞれの住民達の描き方

まだ初回なので何とも言えませんが、グレゴリーに踊らされてしまう善きファーマーのケンの両親や、復興を支援するリックを拍手を持って迎え入れるサンクチュアリの人々の面々には、どうしても全体主義の中で価値観を均一化させてしまう愚かな群衆の儚さを想起させます。

 

なんだかどこかの国家体制の勃興を観ている様で、ただのホラードラマからはアタマ一つ抜け出てきた気もしてきますが、ミショーンが美術館で眺めていた「より完璧な共同体へ」の文字はアンジェラがドラマに潜めた細やかな問題定義だったんでしょうか?

条約ではなく憲章を作ろうとする彼女の姿勢は、正に合衆国の復興を予感させる描写そのもの。


ここら辺のちょっとややこしいテーマはあまり欲張りすぎると社会への歪んだアンチテーゼにもなり兼ねないので、国家の思惑よりももっと純粋な人間愛に焦点を当ててくれていった方が私的には嬉しいかも。。

 

ゾンビとは別のトコロで様々な不気味な影が忍び寄る中、とりあえずリックに未だ死の予兆が感じられなかっただけでも、何故か安堵してしまっている自分がいますw

 

・・それにしてもイメチェンしたジェイディスのパーマは何処でかけたんでしょうか?

シーズン9第2話の感想はコチラ
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『ウォーキング・デッド』シーズン9は、
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