マリブのブログ

ミネルヴァの梟は迫り来る黄昏に飛び立つ

『ウォーキングデッド』シーズン9第2話の私的な感想―リックとダリルの衝突―(ネタバレあり)

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The Walking Dead Season9 Episode2/2018~(アメリカ)
脚本:デヴィッド・レスリー・ジョンソン
出演:アンドリュー・リンカーン、ノーマン・リーダス、ローレン・コーハン、メリッサ・マクブライド、ダナイ・グリラ、カリー・ペイトン

 繰り返される歴史

前回のエピソードを見返してみて思うのは、アポカリプスな世界のドラマってやっぱり最終的には歴史に行きついていくんですよね。。


それぞれの共同体と協力し合って生き抜こうとするアレキサンドリア率いるリックの主張は、民主主義の弊害に目をつむったまま、綺麗事の理想社会を築こうとするアメリカのそれと結構おんなじ。

彼らの連合軍によってクビをすげ替えられた帝国・サンクチュアリは、さしづめ第三帝国を作りそこなったナチスドイツ崩壊後の東ドイツ状態とでもいうべきか・・

キングダムは、17世紀初頭くらいまでのアフリカか中東の王国の様子を連想させますが、宝石や石油のような何かしらの資源が見つかってしまえば、きっとまた争いに巻き込まれていくのでしょう。

そう考えていくとマギー率いるヒルトップは・・・

農業大国を目指していたブラジルか、或いは戦後復興時の日本の様子なんでしょうか?

やり手のショーランナーアンジェラ・カンらしく、少々政治色が強くなってきた今回のシーズンでは、周りの共同体に忖度しながらも、カールの教えをキリスト教状態に神格化したリックのどこか強気な姿勢に終始不安を覚えます。

 

日本にもマギーの様に、キッチリ自分たちの主張を貫けるリーダーがいればねぇ・・

なんて溜息を洩らしつつも、密かに改心を期待していたグレゴリーの事は、もうそろそろ忘れましょうか・・・ 

シーズン9第1話の感想はコチラ


以下、
『ウォーキングデッド』シーズン9第2話のネタバレを含んだ上での感想です。

まだご覧になってない方はご注意下さい。



 

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グレゴリーの処刑からの出来事を語るリック。

「俺たちは元の姿を取り戻してる。もう生き延びるために戦うだけじゃない」

と暗闇に呟く。。

 

キャンプ場では少々背が伸びてきたヘンリーにエゼキエルが未来を語っている。
彼は橋の建設に準え将来へと繋がる希望をヘンリーに語り継ぐ。
サンクチュアリに留まる決意をしたキャロルに優しくキスをするエゼキエル。

セディクの元ではイーニッドが医療を学び始め、不安に駆られながらも奮闘中。
物資不足やサンクチュアリからの相次ぐ脱走状況、更には森の中に多数発生したウォーカーの件等をリックはユージーンとロジータから報告を受けるが、彼は橋の復旧工事を優先させる決断を下す。

ヒルトップにやってきたミショーンはマギーに進言。
しかし、サンクチュアリに送られるはずだった食料が届いていない事を知った後も、マギーは追加の供給を行おうとはしない。


橋梁工事に取り掛かっていたダリルとアーロンは、ヘンリーとジャスティンの小競り合いを止めようとし、逆に大喧嘩へと発展。

見かねたリックが仲裁に入るが、ダリルは尚も不満気に、

「俺たちは本当に味方か?」

と詰め寄ってくる。

戸惑いを隠せないリックにキャロルは、

「あなたは正しい事をしているが、まだ心の準備が出来てない人もいる」

と真摯に彼を諭す。

 

ヒルトップで一晩を明かす事を決めたミショーンは、ケンの母親・タミーとジーザスのやり取りの現場に遭遇。
子供を失った上、夫のアールまで投獄された彼女は、ジーザスに夫との面会を強く申し出るが、彼はあくまでもマギーの意思を尊重しようとする。

そんなジーザスに助言をし、マギーを説得する様促すミショーン。

「善人の君にだから、反対意見を言える」

というジーザスのキラーワードに折れ、マギーは止む無く彼らの面会を許可する。

 

アラットとロジータはダイナマイトをセットし、橋へ近づくウォーカーを誘導する作戦へ。
タラはそれを監視しながら、ジェリーとジャスティンに無線でサイレンを鳴らす連絡を取ろうとするが・・

 

マギーはアールの元へと出向き、彼の贖罪の念に耳を傾け始める。
そしてアールの酒癖からくる愚行に自分の昔の父親の面影を感じ取ったマギーは、いよいよアールの釈放を決意する。
ミショーンにその事を伝え、更にはサンクチュアリへと送る食糧の追加も検討する事を告げるマギー。

 

伐採場で丸太を切り出していたダリル達の元へ忍び寄るウォーカーの影。。
ジャスティンが誘導を怠ったことにより彼らは一気に危険にさらされ、その混乱の中、アーロンは丸太に腕を挟まれてしまう。。

やがて駆けつけたリックやエゼキエル等により救い出された彼らは、そのままキャンプ地へ。
しかしアーロンの腕の損傷が激しい事を察知したイーニッドは、彼の腕を切断する決断を下す。
憤りが収まらないダリルは、キャロルに言い訳を繰り返すジャスティンを滅多打ちに。
やがてキャロルに諭され一度は静まるものの、彼の元救世主たちに対する不信感は拭えない。

その夜、ジャスティンに追放を宣告したリックは、腕を失ったアーロンの元へ。
彼は自分の強硬判断が事故を起こした原因だった事を素直に認め謝罪するが、アーロンは自分たちに新たな希望を与えてくれたリックに感謝の言葉を口にする。

 

日が暮れたキャンプ地でそれぞれに寄り添う人間たち。。

オーシャンサイドの面々と語らうタラ、付き合い始めたジェリーとナビラの側にはヘンリー、キャロルが以前受け取るのを断った指輪をエゼキエルにせしめると、彼は無邪気にも舞い上がったように再度キャロルにプロポーズをを始めようとする。

 

そんな様子を微笑ましく眺めるリックは、冒頭のシーンに続き彼らの様子を語り出す。

 

彼の向かいに蹲っているのは、独房に閉じ込められたままのニーガン。

リックは彼に団結する人間の本来の強さを説こうとするが、ニーガンはそんなリックの理想を一笑に伏したまま、不吉な予言を告げる。。

 

闇夜の中、見張り台に立つアンのもとに、どこからか近づくヘリコプターの羽音。

酔いに任せたまま薄暗い森の中を歩くジャスティンは、顔見知りの何者かの手によってあっけなく殺害される。。。 
 

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 ・・それぞれのキャラクターの描き方が、見違えるように上手くなってきました。

葛藤を続けるマギー、不器用なダリル、童心を常に覗かせるエゼキエルをまるで母親の様に慈しむキャロル等、これまでの主要メンバーのキャラクターが丁寧に掘り下げられています。

ホレイショ?とかマーガレット?なんてまるでハリケーンの名前の様にウォーカーの集団に名前を付け始めた彼らは、正に新しい文明社会を築き始めているのでしょう。

アラットとロジータの新コンビ、和ませキャラのタラとジェリーの様子等はさりげなくも自然体で、更にあらすじに書くのが若干照れくさかったのでばっさりカットしてしまいましたが、元裏切者同士のまさかのアンとガブリエルの新カップル誕生も中々に見物w

 

それでも、やっぱり、、、

ファーストレディー?のような立ち位置になってきたミショーンはその言動自体がどうしても鼻についてしまい、どこぞの政治家の様な調停者ぶりを演じ始めた彼女には、もう昔のような孤高の剣士の面影は全く感じられません。

そして何より、、

性善説を唱え続けているリックの様子が、退場が決まっているだけにどうしても物悲しく感じてきてしまい、橋の建設を死者への慰霊碑に準えたニーガンの性悪説こそ、真の人間の本性の様に錯覚してきてしまいます。

マギーやミショーン、キャロルあたりの女性陣からも法の重要性を説く声が漏れ始め、王やアーロンの説く原子共産主義的な理想社会は何とも儚げな幻状態。。。

一見逃亡かの様に思われたサンクチュアリ人の行方、コモンウェルスを彷彿させるジョージーからの手紙やヘリコプターの再登場等、想像が膨らんできそうなアイテムが多過ぎて、正直まだあまりうまく咀嚼できていませんw

あっけなく殺されたジャスティンの目に最後に写ったのが、私的にはどうしても再登場を願っているドワイドであってくれれば文句はないのですが、やっぱりあの状況を考えると、ウィスパラーズに仲間入りした元サンクチュアリ人あたりなんでしょうか?

 

思い返せば、略奪社会を築こうとしたガバナー、権力社会を彷彿とさせるドーンのグループ、人間性を捨て去った終着駅のギャレスの集団等、個々のグループとしては圧倒的に歪んでいく人間たちが多いこのアポカリプスな世界の中、カールから受け継いだリックの理想論が後数話でどこまで辿り着けるのか・・?

 

そんな不安がアタマを駆け巡って、相変わらず寝不足の日々が続いています。。。

 

・・実はシーズン1で登場したギレルモ達の行方が未だに気になっているのは自分だけでしょうか・・?

 

シーズン9第3話のエピソードの感想はコチラ
www.mariblog.jp

 

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