アンドリュー・リンカーンの降板
・・思わず耳を疑うニュースが飛び込んできてしまったので、兎に角まとめてみます。
『13の理由』の感想にも書きましたが、やはり今の時代SNSの怖さをリアルタイムに実感してしまいました。。
5.29にアメリカの大手メディアUs Weeklyにドラマの関係者からの証言としてこのアンドリュー・リンカーンの『ウォーキングデッド』からの卒業が報じられた事がきっかけで話題となっているこのニュースですが、ColliderやComicbook.com等のネットメディアでも取り上げられ、どうも信憑性が高そうです。
・・となると、、
いよいよ『ウォーキングデッド』の終わりが見えてきた気がします。。。
カールの降板によって、大きく風向きが変わってきたこのドラマはその末路をどう描いていくのでしょうか？
自身の中では『ゲームオブスローンズ』や『LOST』を超え、8年という最長期間見続けてきたドラマなので、その不安と期待も込めて、リックの失い方とその後のシーズン９の展開を勝手に考察してみます。
以下は『ウォーキングデッド』シーズン８最終話及び、原作コミックのネタバレを含んだ上での考察です。
まだご覧になってない方はご注意下さい。
リックの思い
シーズン8の後半からカールが退場した時点でComicbook.comの取材に対し、アンドリュー・リンカーンは意味深なコメントを残しています。
以下がその内容。
・・カールが死ぬということを知った時、特に自分にとっては、（シーズン1の）病院のベッドから始まったこの大きな旅の終わりを告げられたようなものだったよ。最初は妻と息子を探すことが、リックの生きる糧だったんだ。だからこの2つを失った今、個人的にだけど、チャプターだけではなく、物語全体の終わりなんだと感じたんだよ。
更にEntertainment Weeklyのインタビューでは、
リックは、カールとニーガンのこともあって、新たな目的ができたんだ。だから全く新しい人間に生まれ変わったんだよ。
・・彼のコメントから察するに、
アンドリュー・リンカーンはシーズン８の台本を受け取った時点で、自分の幕の引き際を真剣に考えていたような気がしてしまいます。。。
視聴率の低迷や、報道にもある他の映画の仕事のオファーを受けづらかった環境のせいもそれなりにあるのかもしれませんが、彼の人生の中でキャリアハイのこのドラマの役どころ自体に疑問を感じてきた事が一番の本音なんじゃないでしょうか？
アメリカのドラマ業界の内情は詳しくはわかりませんが、デール役のジェフリー・デマンの退場時のエピソードからも考察出来るように、ハリウッド俳優は一般的な日本の俳優よりドラマの構成や脚本に直接関わっていける環境があるように感じられます。
・・ちょっと色々思うトコロはありますが・・・
結論から言うと案外この選択は、リックにとっては間違っていないんじゃないでしょうか？
シーズン９からショーランナーに抜擢されたアンジェラ・カンによって、再び群像劇の側面を取り戻してきたこのドラマから誰よりも苦悩し続けてきた主人公がいなくなってしまうのはかなり惜しいですが、言ってしまえば潮時かもしれません。。
彼には『ER 緊急救命室』でブレイクしたジョージ・クルーニーのように、次のステージに向かって大きく飛躍していく事を切に願います。
シーズン９以降の展開
とはいえ、リックが抜けるとなると、カールやグレンなき今『ウォーキングデッド』の今後の展開は非常に難しくなっていきます。
更にマギー役のローレン・コーハンも米ABCの新作ドラマ『Whiskey Cavalier（原題）』で主演が決定していて、2018年5月現在、彼女はシーズン９の前半6話迄の出演契約しか交わしていないようで、二つのドラマで主役級の役を熟していく事は物理的に難しくなっていく筈です。
なので最後にあくまでも『ウォーキングデッド』がシーズン９以降も継続していく事を前提とした上でのリックの最後を、コモンウェルスやウィスパラーズの登場も踏まえて予想してみます。
①マギー達による暗殺
原作に忠実にいくなら、一番あり得そうなパターンです。
次のエピソードで登場するであろうウィスパラーズの登場で、平和主義のリックは再び仲間を殺されたアレキサンドリアの住民と対立します。
この犠牲者を原作から変更して、マギーと関係の近い人間にすることで二人の対立はシーズン８の最終話から引き継ぎ更に深刻となり、その上でマギーかその近親者の手によって暗殺されてしまうリック。。
彼の思いはその死の間際でニーガンに引き継がれ、原作通り、ウィスパラーズにはニーガンが立ち向かっていきます。
・・ただしこの場合、リックの性善説はニーガンが受け継いでいくことになるので、シーズン8迄の彼の残虐性を覚えている視聴者からは大いに反感を買うでしょうw
②ウィスパラーズとの戦闘による負傷
これも原作に沿ったパターンですが、アンドリュー・リンカーンがどうしてもシ―ズン９の６話迄しか登場しないのであればちょっと難しいかもしれません。
原作では、ウィスパラーズとの戦闘の最後にリックの妻になっているアンドレアがウォカーに噛まれ転化してしまいます。
この設定をそのままリックに変更し、ミショーンに看取られながら息絶えていくリック。。
・・しかしこの場合も、カールの最後と設定が被り、シリーズを見続けている視聴者からはあまりにもワンパターンな主人公の死に幻滅されてしまいそうです。
③コモンウェルスへの合流
・・ちょっと卑怯な展開ですが。。
ウィスパラーズとの戦いの後に出てくるコモンウェルスの内情は、まだ原作でも正確に描かれていません。
なのでウィスパラーズとの戦闘中に、マギー達との確執の果てに、希望を失くしたリックがジョージ―達に合流するパターン。
その生死は不明のまま、視点はマギーとダリル達に移り、あわよくばいつか来る『ウォーキングデッド』の最終話にリックが再登場なんてことも・・
・・逆にマギーがコモンウェルスに参加するパターンもローレン・コーハンのスケジュール次第ではありえそうですが、その場合これまで兄弟の様に描かれていたリックとダリルの決闘を目にしなければいけない日がくるかもしれません。。
④原作からの乖離
そろそろこの可能性を検討し始める時期ではないでしょうか？
原作モノのドラマはいくらパラレルワールドにしても、その比較や先読みが視聴者の一番の関心となり、ドラマの本質を見る視点が薄れていきます。
・・この記事そのものの全否定になっちゃってますが。。
既にパメラ・ミルトンぽく登場してしまったジョージ―はちょっと置いといて、原始社会を望むウィスパラーズとの戦闘はガバナーや救世主たちの時と同じ死生観になりそうなので早めに切り上げ、マギー達との確執から、再びワシントン？か何処かを目指すリックとジュディスのロードムービーの始まりを予期させて退場させるなんてどうでしょう？
若しくは、ウィスパラーズとの戦いでウォーカーに噛まれてしまうリックが、映画『カーゴ』の様に人知れずジュディスと何処かに消えていく・・なんて展開でもいいかもしれません。。
どんな最後を迎えるにせよ、カールの死について言及した記事のとおり、リックの最後は相当誰かにとって意味のあるカタチで描いてもらわないと視聴者は納得できません。
最終的には、それが彼が心底愛する最後の人間、ジュディスの為であれば文句はないんですが。。
※6月20日に開催された「AMC Summit」のイベント内でショーランナーを務めるアンジェラ・カンはシーズン９の設定上でタイムジャンプをする可能性について言及しました。
時間軸を飛ばすアポカリプス世界はニーガンとの戦いから18ヶ月後の世界。
これにより上述した原作からの乖離が現実味を帯びはじめ、降板が噂されるリックやマギーに代わり成長したジュディスやマギーの子供の姿、更にはヘンリーがメインキャスト枠で登場する可能性がでてきました。
この役を演じるのはヘンリー役マクセン・リンツの実兄、マシュー・リンツ。
つまり・・、
シーズン２でウォーカー化してしまった、ソフィア役マディソン・リンツの実弟でもあるんです！
彼を支えるキャロルやダリル達の姿を想像すると、アンジェラ・カンの粋な計らいに何とも頭が下がります。
銃や車などの近代的な物資も枯渇していくようで、ＴＷＤはいよいよ中世の様な世界観で描かれていくのでしょうか？
そのうち別次元の異世界を舞台にした『ゲーム・オブ・スローンズ』の前日譚に繋がっていったりして・・・w（2018.7.16追記）
映画版でしかもう観られない？リックの今後の予想記事はコチラから
www.mariblog.jp
シーズン８までのリックの名場面集はコチラから
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