マリブのブログ

ミネルヴァの梟は迫り来る黄昏に飛び立つ

『ウェントワース女子刑務所』シーズン2の紹介と私的な感想(シーズン1ネタバレあり)

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Wentwoth Season2/2013~(オーストラリア)
製作総指揮:ジョー・ポーター
出演:ダニエル・コーマック、ニコール・ダ・シルバ、パメラ・レイブ、クリス・マクウェイド、リーアナ・ウォルスマン、セリア・アイルランド他

 加速してゆく濃密なサスペンス

・・ここまでの自分の書いた記事を読み返してみて、、

なんか大事なコトを忘れてました。。

このドラマはおもいっきりサスペンスドラマです。

ちょっと病んでる時に見てしまったのか、やけに囚人達の人間模様とかそのドラマとか書いちゃってますね。。

もちろん登場人物たちは哀愁漂う人間臭いキャラが大勢いて、その人物描写だけでも十分ハマれるんですが、大事なコトは、このドラマが閉鎖された空間の中での極上なサバイバルサスペンスだというコトです!

なので、今回はその部分にもちょっと注意しつつ紹介していきます。

以下がっつりネタバレを含んでいますので、シーズン1をまだ観てない方はご注意下さい。 

『ウェントンワース女子刑務所』シーズン1の紹介記事はコチラ





 



 『ウェントワース』シーズン1までのあらすじ

夫の殺人未遂容疑で刑務所に収監されたビースミスは、否応なく塀の中での2大派閥抗争に巻き込まれていく。もともとの優しさから所内でも人気を集めていったビーだが、彼女自身に権力への執着はなく、同じ監房内の若手の一派フランキー達の側でその成り行きを見守っていた。
しかしジャックス率いる古株一派はそんな傍観者としての彼女を認めず、その存在そのものに脅威を感じた彼女は自らの息子ブライデンに命じ、ビーが残してきた大切な一人娘のデビーを薬漬けにして殺してしまう。
閉じ込められた世界の中で、唯一の心の支えだった娘を殺されたビーは正に半狂乱。
憎悪の炎は燃え盛り、その勢いのままビーはとうとうジャックスを殺害してしまう・・ 

 『ウェントワース』シーズン1の感想

たまりませんでした。ビーを見ていると。。

彼女にとっては娘が全てで、元はと言えばその娘の為に夫からのDVにも耐えていたんでしょうし、刑務所内にいる自分との心の距離がどんどんと離れてゆく娘に苦悩している描写が多くみられます。

唯一の希望を失った時の人間の悲しみ。。

『ゴッドファーザー』のラストを彷彿させるかのような、あのビーの娘の死を知った時の絶叫シーン。。。

ビー演じるダニエル・コーマックの演技も流石ですが、ドラマとは思えない程の圧倒的な映像美溢れた演出でそんな彼女の苦悩を見事に表現しています。

結果的に念願のトップ・ドックの座を射止めたフランキーですら、ビーの悲しみの前では掛ける言葉もなく・・

そして意見が分かれるトコロかもしれまんせんが、、

元女帝のジャックスさえも、本当はビーの娘を殺すつもりはなかったんだと思います。

優しさと正義感に溢れたビーを疎ましく思っていた彼女は、心の何処かでそんな彼女を羨み、失くしてしまった自分の良心を懐かしんでいたんじゃないでしょうか?

ジャックスにとってビーは眩しすぎて、だからこそ息子を操りデビーを懐柔し、ビーを自分に屈服させたかったような気がします。

しかしブライデンもそんな母親との心の距離が離れすぎていました。

彼はそんな寂しい母親の想いにも気付けず、無残にもデビーを禁断症状のまま放置し殺してしまう・・

この手の負の連鎖による悲劇には、本当に心がイタくなります。

ジャックスを殺した後でも、ビーの苦しみが終わりを告げることはなく、その苦しみはシーズン2へと持ち越されていきます。

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 シーズン2から登場する2人の新キャラクター

シーズン2では殺されたジャックスと退官した刑務所長官エリカ以外、全員が引き続き登場し囚人達にも個性的なキャラクターが増えていきますが、その中でも一際個性的な2人をここでは紹介します。
 

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ジョアン・ファーガソン(パメラ・レイブ)

登場シーンから迫力満点のエリカの後任としてウェントワースにやってきた看守長。
冷酷で潔癖、更に計算高く、就任後すぐに刑務所内の抜本的な改革に着手してゆく。
ドリーンに対してだけは一見優しく接するが、それは所内のある人間との過去の深い因縁に起因している。
 

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マキシン・コンウェイ(ソクラティス・オットー )

トランスジェンダーで性転換手術済みの元男性。
その為筋力は強いが、他の誰よりも女性らしさを意識している。
痴情の縺れで愛する男に怪我を負わせてしまい、傷害罪でウェントワースにやってくるが、初めは好機の目に晒され困惑する。
 

 シーズン2の3つの見所

冒頭でも説明した通り、シーズン2からはよりサスペンス色が 強くなっていきます。
様々な伏線が張り巡らされているので、このシーズンは全シーズンの中でも一番注意深く見る必要があるかもしれません。

①「トップ・ドッグ」に上り詰めたフランキーの苦悩

ジャックスをとうとう退け囚人達のボスになったフランキーは、その地位を確保する為の裏工作が激しさを増してゆきます。
権力の座を固辞する為、より精神的に追い詰められていく彼女の心の葛藤と、その張り詰めた空気の中での彼女のジレンマが視聴者に緊張感を与えてくれます。

②ファーガソンとの緻密な頭脳戦

フランキーおしの自分にとってはどうしても最初に彼女に目が行ってしまいますが、シーズン2の一番の見所は正にコレ。
それまでの看守長とは一味違い、随所に見られるファーガソンのサイコパスな一面によって、ビーを始めとする刑務所内全ての人間達が恐怖に陥っていきます。

③ビースミスの復讐劇の始まり

殺人罪でとうとう11年の刑期が確定してしまった彼女は、シーズン当初は独房で薬漬けの日々を送っています。
精神が崩壊し生きる希望を失っていた彼女は、周囲の囚人達の献身的な支えによりなんとか復活していきますが、皮肉にもその優しさが彼女にブライデンの殺害という次の生きる目的を与えてしまいます。
刑務所内の様々な人々、シチュエーションから少しずつ学び、巧妙に仕組まれていく彼女の復讐劇の始まりはスリリングさ満点。

あと書き忘れてましたが、、

このウェントワースのもう一つの面白味は、その刑務所内の看守達の様子にもあります。

シーズン1からの副所長役で登場しているヴェラは当初只のダメ女キャラでしたが、幾人もの所長の元少しずつ成長していき、曲者ぞろいの囚人達と次第に軽妙な駆け引きを初めていきます。

更にシーズン1でフィアンセだった元所長メグを殺されてしまった刑務官ウィル・ジャクソン。複雑に絡み合っていく人間関係の中で、今回のシーズンでは彼がある意味キーマンとなっていくので、その様子にも注目です。 

シーズン3の詳細も早く!という方はコチラへ・・

『ウェントワース女子刑務所』
シーズン6までhulu(月額933円/無料期間=週間)で観れます。

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