マリブのブログ

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海外ドラマ『ウェントワース女子刑務所』シーズン6第6話の私的な感想―ソーニャの策略―(ネタバレあり)

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Wentwoth Season6-episode.6/2019~(オーストラリア)
製作総指揮:ジョー・ポーター
出演:ケイト・ジェンキンソン、リア・パーセル、スージー・ポーター、ラドウォイ・ヒック他

 日本の連ドラ

・・現実が忙しくなってくると、連ドラをリアタイで見続けるのって本当にシンドイ。。

 

 ウォーキング・デッド』シーズン9の終わりと共に、ウェントワースの事はすっかり忘れちゃってましたが、丁寧で複雑な人間模様を描くサスペンスとしては、ステレオタイプの日本の連ドラなんかよりも、よっぽどこっちの方が上。

 

・・やっぱり無料でお茶の間に届ける事を常に意識しなければいけない日本のテレビ業界じゃ、この手のレベルのドラマはきっと永遠に描けないんだろうな・・・

最近じゃ深夜ドラマでさえBPOがウルサイってゆーし・・・

 

まあそれでもホンネを言っちゃうと、自分にとっても最近面白い映画があまり見つからないのと、まもなく再開される『ゲーム・オブ・スローンズ』の最終章が始まるまでのつなぎなんだけど・・・w

 

とりあえず、未見のエピソードが相当溜まっているので、まどろっこしい前置きはすっ飛ばして、時間のあるうちにさっさと見進めていきます!

 

シーズン6第5話の感想はコチラ

以下、『ウェントワース女子刑務所』シーズン6第6話のネタバレを含んだ上での感想です。

まだご覧になってない方はご注意下さい。

 

 

 

 

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 ウェントワースの天使

仲間の刑事からザラの情報を得るリタ。
バイカー仲間のレイがリタの面会に来た事を同僚はいぶかしがるが、彼女は気にも留めない。

 

独房から出たリタを待ち構えるのは、マリーの右腕でセルビアで戦争犯罪人としての投獄経験を持つ強面のザラ
リタへの警戒心から、その距離感を保とうとするマリーだったが、彼女の犯罪を暴く任務に就いているリタは、彼女の言い分をひらりとかわす。

 

作業場の更なるPR活動を行おうとするソーニャは、ヴェラにラジオ出演を提案。
彼女はそのパートナーにリズを勧誘しようとするが、ソーニャの発言による新聞記事を目にした時から、その自尊心を深く傷つけられていたブーマーは怒りを抑えることができず。。
食堂で思わず口走りかけた彼女の言葉から、カズはリズがソーニャの犯罪を告白しようとしていた事を察知する。

 

自信のなくなったブーマーの側に寄り添うのはルビー。
彼女はブーマーからその母親が妊娠中からアルコールを摂取していた事を聴かされると、ブーマーが発達障害である可能性を示唆する。
やがてルビーはアリーの協力を経て、ブーマーの為に試験問題を盗もうとするが、あえなく失敗。
しかし、ルビーが自分の脳にも障害がある事を打ち明けた事により、ブーマーもその重い腰を上げる。
そしてリズも加わり、明日に控える技能試験の為の徹夜の一夜漬けがスタートする。

 

マリーの携帯に盗聴のできるSIMカードを取り付けようとしていたリタは、その現場をザラに見つかり窮地に陥る。
しかし、リタに恋心を抱くレイのとっさの判断によって、なんとかマリーの疑いを晴らす事に成功。
更にスパイ探しに難航しているザラをけしかけ、その彼女を独房送りにしたリタは、ザラから激しく殴られた傷跡をマリーに見せる事によってその同情を得て、逆にマリーの方から携帯を使用する許可を得る。。

 

ファーガソンの悪夢から未だ覚めやらないジャクソンは、ジェイクが看護師から譲り受けた興奮剤を大量に摂取してしまい、女囚のシャワールームに入り込んでそれを嘔吐してしまう醜態ぶり。
その様子を見ていたカズはジャクソンに愛情を込めて寄り添おうとするが、彼の額にキスをしているトコロをマリーに見つかってしまい・・

夜中、巡回中にジャクソンがマリーの部屋へとやってくると、彼女は空ろな瞳でドラッグを燻らしている。
その自分と同じような彼女の弱さを見せつけられたジャクソンは、少しづつマリーに親近感を感じ始めてゆき・・

やがてカズからの密告で、スパイクがソーニャにシャロン殺しの濡れ衣を着せられていた事を知ったジャクソンは、それをヴェラに報告。
二人はソーニャが偽装工作までして作業場を再開させた理由に疑問を抱き始めるが・・

 

ラジオ出演本番。
不安を隠し切れないリズを横目に、饒舌に刑務所内の更生状況を語り始めるソーニャ。
しかし、ディスクジョッキーはソーニャが主張する無実の罪に質問をはじめ・・・
ソーニャの早口な質問に釣られ、悪徳警官との情事を暴露してしまうリズ。
そして、更に彼女がその口車に乗せられて、偽証をしようとしていた事も・・

ヴェラのとっさの判断でラジオは中止されるが、リズの認知症を知ったソーニャによって中庭に連れ出された彼女は、ウェントワース中の女囚からチーター(密告者)として罵声を浴びせかけられる。。

それを助け出すのはカズとアリー。
カズは、ほくそ笑むソーニャを鋭く睨みつけるが・・・

 

ソーニャの思惑通り、リズに司法取引を持ち掛けたドンはアムステルダムで拘束される。
やがて検察側の証人が全て崩れた事によって、48時間以内の釈放が検討される事を弁護士から告げられるソーニャ。。

 

晴れて技能試験に合格したブーマーは、ソーニャに乗せられ祝杯をあげようとしている。
そこへやってくるカズは、ウェントワースの天使として謳われるようになった彼女に、正面から宣戦布告を突きつける。。。

 

 

 

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 ・・ウェントワース、やってくれましたね。。

それなりに難解なドラマも見てきたつもりですが、今回は見事に予想を裏切られました。

まさか、ここにきてソーニャが冤罪になる可能性がでてくるとは・・・

ちょっと分かりにくいのでココ箇条書きで整理しておくと・・

①刑事ドンの悪事を一緒に暴露しようというのは、リズを巻き込むための嘘
②ワークショップに力を入れていたのは、その広報活動を利用した自分の無実の証明
③ラジオ出演での暴言は、リズの無能さを利用したマスコミへのアピール
④そのラジオ出演でリズが刑事と一線を越えていた事もバラし、女囚達にも嫌われるように仕向ける

・・まあ、大した策略家です。。

最終的には自分を殺そうとしたリズさえも、奈落の底に落としたんですから。。。

正直、非暴力を掲げるカズが、後2日間でどこまでこの彼女を追いつめられるのか不安ですが、あまりにもエゴイスティックなこの手の人間は見ている側が疲れてくるので、どちらにせよ、もうそろそろ退場してもらってもいいかな。。。

その陰でボロボロになり認知症まで患ってしまったリズには、ちょっとこの先さすがに同情が集まってきそうな予感も・・

 

そんなあまりにも絶望的な展開の中での本物のウェントワースの天使と言えば・・

 

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やっぱりブーマー!


この憎めないおバカキャラの過去に辛い幼少期のトラウマまで乗せられてしまったら、もうファンにならざるを得ませんw

ルビー、アリー、リズでそんな彼女を囲む夜中の勉強会の様子は、シーズン5でドリーンのスピーチを手伝うフランキー達の様子にも似ていましたが、愛されキャラのブーマーだとその心地よさも段違いにいいエピソードに見えてきます。

そしてラストに自分をバカにしていたソーニャのもとに、技能試験の合格通知を持っていくシーンなんか、、

 

海外ドラマで久しぶりに涙が溢れてきました。。。

・・まるで、、

 

出来の悪い娘が、世間体ばかり気にする教育ママの元に、それでも努力して満点を取ったテストの答案用紙を持っていくような光景にさえ見えてきてしまって・・・

 

この手の心が温まるエピソードを、重たい空気が漂うサスペンスの中で、バランスよく盛り込むウェントワースの脚本は本当に上手い!

 

リタがマリーに取りいっていく描写は、ちょっと出来過ぎなような気もしてきちゃいますが、まあ、今後の直接対決の前振りとしてはそれなりに納得できます。

・・でも、やっぱり、マリーにはルビーを絡ませないと、リタとの姉妹愛も描き切れないような気がしてきてしまいますが。。。

シーズン6第7話の感想はコチラ

www.mariblog.jp

 

『ウェントワース女子刑務所』
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