13 Reasons Why Season2 Episode10/2018~(アメリカ)
製作総指揮:セレーナ・ゴメス
出演:キャサリン・ラングフォード、ディラン・ミネット、ジャスティン・プレンティス、アリーシャ・ボー、デレク・ルーク、ケイト・ウォルシュ他
本当の友達
・・ポーターの涙は感動的でした。
しかしそんな彼とは対照的に、純粋なクレイの思いを上手く丸め込もうとする校長の対応に、どうしても近年の隠蔽体質の為政者たちを暗喩しているように感じます。
シーズン1では一際冷静に描かれていたトニーが、内包した怒りを制御できず爆発させてしまうシーンも中々印象的。
トニーに寄り添うケイレブの存在が、映画『最強のふたり』でも描かれていた様な本来の情操教育である友愛の精神を示唆している気がしてきます。
アメリカでは元々対立しあっている黒人とヒスパニックの関係を人種間の争いに対する希望として描かれている二人の今後には夢を見ずにはいられません。。
・・ブライスにもその辺の思いやりを持てる本当の友達が寄り添えていれば、ここまで傍若無人なジョックにはならなかったのかもしれません・・・。
シーズン2第9話の感想はコチラ
以下『13の理由』シーズン2第10話のネタバレを含んだ上での感想です。
まだご覧になってない方はご注意下さい。
ほら笑えよ
冒頭はトニーの回想から。
口下手な彼の同性愛の本性を感じ取っていたハンナは、二人でガールズトーク。
ライアンの事を気になっていたトニーの背中を優しく押す。。
ハンナの故意的な復讐心を立証させる為、学校側の証言者として法廷に呼ばれるトニー。
しかし彼は裏でデニスと示し合わせ、自らの信用を貶める事で裁判をオリヴィアに優位にしようとする。
ジャスティンを迎えに行くクレイ。
家から盗んできた金をジャスティンはクレイに渡そうとするが、彼は受け取らない。。
クレイたちが家に戻ると、寂しそうにベットに座っているハンナの姿が。
クレイは自分の憤りを彼女に吐き出してしまった事を謝罪し、幻覚の彼女にもう一度触れようとする。。。
・・ジャスティンがクレイに金を渡そうとするシーンが、十代の背伸びを上手く表現しています。
彼らにとっては対等でいる事こそが自信に繋がり、弱い自分を奮い立たせる勇気に繋がっていくような気がします。
トニーの自己犠牲の精神にはとても胸を打つモノがありますが、見せ方的にコレ、最後までネタバレさせなかった方が、彼の優しさとハンナへの友情を強調する上手い伏線になった気がしてしまうんですが。。。
12番目に法廷に立ったのは前回のエピソードで突然登場してきたサラ。
彼女は学校側の証言者として、ハンナが前の学校では自分を虐めていた加害者側の一人だった事実を明らかにする。。
学校に不利な証言をしたポーターは校長より生徒との接触を禁じられるが、ジャスティンの家庭事情を憂慮し、半ば強引に彼と面談。
ジャスティンの今後に正面から向き合い、人のサポートを受けるコトを助言する。
ジェシカは自分たちが持つトラウマを、ニナが彼氏に打ち明けられていない事で彼女の弱さを知る。
アレックスのロッカーには何者かの脅しにより置かれた銃弾が・・
クラブハウスの場所を特定したクレイは、ジャスティンと共にシェリに相談。
ハッパを餌にブライスたちに近寄り、先に侵入した彼女から鍵の番号を聞いたふたりはブライス達の目を盗んで潜入。
野球の試合中、ブライスの傲慢さに嫌気がさしたザックは彼らと決別。
そのままクレイたちと遭遇した彼は、残りのポラロイド写真を手渡すと共に、自分がクレイに写真を送っていた真実を遂に明かす。。。
・・サラの証言にはその彼女の言葉どおり、このいじめの問題に自分で立ち向かわず人にチクる事で解決しようとする臆病さを感じてしまい共感が持てません。
賛否両論あるかもしれませんが、、
この安易に大人が敷いた密告を促すような社会の体質そのものに、いじめの原因があるのではないでしょうか?
公平を大義とした裁判官が、この辺の学校側の悪意を感じ取れない事にも不自然さを感じます。
更にクラブハウスに潜入するエピソードも、ちょっと強引。
常識で考えれば、常日頃から乱交パーティーを繰り広げられていた場所にシェリが潜入して無事で戻ってくる事自体がどうにも疑問です。
ポラロイドの送り主がザックだった事実には、驚きと共に、臆病だった彼がようやくクレイたちと一致団結する勇気を持てた事に安心感を覚えましたが。
タイラーはサイラスに誘われたパンクライブに馴染めず、仲直りを持ち掛けてきたマッケンジーに八つ当たり。
その弱さから、思わず彼女を傷つけてしまい、更にそのままサイラスとも仲違い。
回想の中でライアンをデートに誘っていたトニーは、その道中で冷やかされた男に傷害を負わせてしまう。
保護観察中だったトニーが警察から逃れ駆け込んだのは、ハンナがバイトしていた映画館。
彼女はトニーを匿い、更に自分もいじめに加担していた過去をトニーに打ち明ける。
13番目に証言台に立つトニー。
彼はハンナとの思い出を振り返りながら、ハンナがサラに行っていた様ないじめによる悪意からテープを残したと主張したい学校側の弁護士の意思に反論。
彼女が残したテープの真意が自分の勝手な憶測だったと偽証する。。
ハンナがいじめの加害者だった新事実で、オリヴィアの元を離れていくジャッキー。
彼女はハンナが守ったトニーの秘密を、自分達が公表させてしまった事に不甲斐なさを感じる。
クラブハウスの不祥事を記録した残りのポラロイド写真を手に入れたクレイたちは、その中からニナやクロエの写真も発見。
タイラーはマーカスからの盗撮メールの仕返しを受け、そんな息子の動向を憂う彼の両親はタイラーの回りからスマホを含めた全ての電子機器を排除。
そして唯一の心の支えだったカメラまで取り上げられてしまった事で、タイラーは行き場のない憂鬱へと堕ちていく・・
ジャスティンやシェリには知られない様、無数のポラロイドからクレイがもう一つ見つけてしまったのはハンナの写真。。
その写真とリンクするかの様に微笑むハンナの幻覚が、クレイを更に迷走させていく・・・
・・今後のストーリー展開を決める分水嶺の露骨さが如実に目立っています。。
全く感情移入出来ないサラとのエピソードは、トニーの罪悪感を際立たせる為のチープな演出過ぎて興醒めしてしまいます。
更にここまで引っ張ってきたトニーとハンナの秘密も、余りに単純。
二人だけの秘めた友情を描くのであれば、バレバレの彼の傷害事件などではなく、もう少し奥行きのあるエピソードが欲しかったです。
それでも分岐点となったザックの真実が明らかになった事により、いよいよリバティ高校の実態が暴露されていきそうです。
純粋無垢過ぎるクレイが自らが生み出しているハンナの幻覚に、これ以上、惑わされ続けなければの話ですが・・・
シーズン2第11話の感想はコチラ
『13の理由』はNetflixで観賞できます。