13 Reasons Why Season2 Episode11/2018~(アメリカ)
製作総指揮:セレーナ・ゴメス
出演:キャサリン・ラングフォード、ディラン・ミネット、ジャスティン・プレンティス、アリーシャ・ボー、デレク・ルーク、ケイト・ウォルシュ他
新しい登場人物
クレイにポラロイドを送り付けていた犯人がようやく判明しました。
冷静に考えてみればブライスの回りにいる人間しか持ちえない証拠なので、ザックが犯人なのは理解出来ますがそのやり方が彼のキャラクターにしては少し陰湿過ぎたような気もしますが。。
トニーとハンナの秘密のエピソードも単純過ぎてサスペンス色は大分薄れてきてしまいましたが、徐々にブライス対クレイたちの対決色が鮮明になっていきます。
但し勧善懲悪の様にブライスを描くのは私的にはあまり好きではないので、彼の取り巻きのモンゴメリーやスコット達にもそろそろクローズアップしてきていいような気もしますが。。
『ウォーキングデッド』の様に徐々に登場人物が増えていく群像劇を描くと、中々全員のエピソードを織り込みづらくなっていきますが、『13の理由』ではある程度問題が解決したキャラから新しいキャラ達にうまく視点をスライドさせている気がします。
シーズン2も残り3話になりましたが、次のシーズンも検討されているようなので、クロエ、ニナ、ケイレブあたりの掘り下げ甲斐のありそうなキャラクター達が今後、ハンナの死から受ける影響も見てみたい気がします。
・・単純な大人の代弁者のようだったサラは、もうちょっと成長してもらってからでないとあまり共感は持てませんが・・・
シーズン2第10話の感想はコチラ
以下、『13の理由』シーズン2第11話のネタバレを含んだ上での感想です。
まだご覧になってない方はご注意下さい。
ブライスとクロエ
ブライスの回想。
劇的なタッチダウンを決めたブライスは、観客席に来ているはずのない親達を目で追う。
すると、転校生だったハンナに声をかけられるブライス。
ハンナに僅かな親近感を感じ、ブライスは彼女の後姿を見送る。。
クラブハウスで無意識のクロエがブライスに犯されている写真をジェシカに見せるクレイとジャスティン。
更にニナの写真まで見せられたジェシカは動揺し、立ち去ってしまう。
サラの発言でハンナの陰湿だった過去が明るみになったオリヴィアは、何者かに店を荒らされアレックスと片づけに追われている。
不安を感じ、オリヴィアに裁判への出席を申し出るアレックス。
幻覚のハンナに相変わらず自問自答するクレイ。
ハンナの写っているクラブハウスの写真で、彼の迷いは再び深まる。
ニナに写真を手渡すジェシカ。
彼女はニナが真実を述べる勇気に問いかけるが、その答えは出ず。。
学校では再び馬鹿にされ始めるタイラー。
保守的なコーチの態度に怒り心頭のザックは、野球部からの退部を決意する。
14番目にいよいよ法廷に立つのはブライス。
クレイ、トニー、アレックスやジャスティンだけでなく、クロエまで傍聴している法廷で彼は、ハンナとの過去を振り返り、彼女が転校してきて以来、自分を追っかけていた女子の一人だったと裁判官に主張する。
ブライスの口から出るハンナとの赤裸々なエピソードにクレイは激しく動揺し始める。。。
・・ニナがジェシカに詰め寄られ思わず呟く、
「私はずっと被害者のままなの」
という台詞が、レイプ被害を受けた女性のリアルな本音なのかもしれません。。
異性目線ではなんとも形容しがたいですが、一見気丈に振舞っていたニナの弱さが、どこか胸に突き刺さります。
ブライスの嘘にイチイチ傷ついてしまっているクレイの描写はちょっと滑稽。
・・ただ、それこそが自分達大人が遥か昔にもう忘れてしまった、十代の心の瑕のような気もしてきます。
法廷でデニスの追求を巧みにかわすブライス。
しかしその生々しいハンナとの性描写の証言に、ガールフレンドのクロエは次第に耐えきれなくなり飛び出してしまう。。
クロエにクラブハウスで酩酊状態の自分に覆い被さっているブライスの写真を見せるジェシカ。
徐々に彼への信頼が揺らいでいき激しく困惑する彼女は、ジェシカの出廷時に自分が妨害工作をした事を自供する。
ジェシカのレイプ事件を愛するブライスの犯行だとは信じたくなかったクロエ。。
暗い自室で幻覚のハンナにクレイは真実を問い続けている。
やがてテープのメッセージを繰り返し始めるハンナ。。
ジャスティンからクロエがデニスに会う事を聴かされ、ようやく我に返るクレイ。
学校に戻ると弁護士の追求を乗り切ったブライス達があからさまな笑顔。
苛立ちを抑えきらなくなったジャスティンは彼に詰め寄る。
それを止めようとしたトニーも巻き込まれ彼らの喧嘩が勃発する。
更にサイラス達やザックにアレックス、終いにはポーターと野球部コーチまで巻き込まれ大乱闘へと発展。。
クレイの車からは何者かによってポラロイド写真を入れた箱が盗まれている。。。
・・ザックの退部で動揺した野球部のコーチがポーターに、
「疑わしきは罰せず」
という台詞に、子供達と同じ、隠す事で自らを守ろうとする大人の怠慢を感じます。
この善悪の区別の履き違え方が、保守的になりつつある現代社会を表す写し鏡の様。
教室に集められたブライスの取り巻きの一人・スコットが、
「野球部が全員レイプ魔だと思うな」
という台詞にも、その矛盾に気付きながらも一人では解決できない若者の苦しみがはっきりと滲んでいます。
15番目に法廷に立ったクロエは、クラブハウスでの出来事を少しづつ証言し始める。
ブライスがしっかり見守る中、記憶を辿っていくクロエ。。
しかし、彼女は写真にあった現場での彼とのセックスは合意の上だったと述べてしまう。。。
無力感に苛まれていくクレイの頭の中で、ハンナの幻覚がテープをリフレイン・・
気分転換の為タイラーに射撃に誘われたクレイは、思わず彼の拳銃をそこから持ち出してしまう。。
息子の真実に気付いたブライスの母親は、彼に詰め寄り激しく非難。
しかしブライスはそんな母親に、ハンナとのセックスを刺激的に語り出す。。
クロエの証言が時期尚早だったと落胆するジェシカに、関係を修復したいと持ち掛けるジャスティン。
タイラーは歪んだ自尊心から、サイラス達と学校のグラウンドを燃やした時の自分達の写真をFacebookにUPする。
徐々に記憶が蘇っていくアレックスは、とうとうブライスの家でハンナがレイプされていた夜に自分とモンゴメリーが居合わせていた事実を思い出す。。
ブライスは法廷での自分を追想。
その彼の証言とは真逆の、ハンナとの日々を思い返す。
橋の下での彼女との密会は、ブライスの願望。
クラブハウスでハンナにセックスを拒否された事が、彼の虚栄心に火を点けた過去を振り返る。。
倒錯していくクレイは、拳銃を片手にいよいよブライスの家へ・・
そこに駆けつけるジャスティン。
彼はジェシカが自分のレイプ事件を改めて法廷で述べる覚悟を決めた事をクレイに告げる。
それでもクレイの耳元で囁くハンナの幻覚は、彼の衝動的な暴走を突き動かし続ける。。。
・・中々目の離せない展開になってきました。
これまで傲岸不遜なジョックとして描かれてきたブライスの、親が側にいない事による歪んだ寂しさがとても印象的です。
そんな彼をどこまでクロエが理解して証言を翻したのか分かりませんが、母親まで翻弄してみせるブライスの最後の救いが彼女である事はもう間違いないでしょう。
典型的なブライスの共犯者に見えてきたモンゴメリーと、そこに僅かな疑問を感じているスコットの存在も今後のキーパーソンになっていく気がします。
そして、、
最初の頃はちょっと違和感がハンパなかったハンナの幻覚にも、ようやく少し好感が持てるようになってきました。
大人にはわからない、戸惑う子供の純粋さを具現化させた様なこの存在。。
日本人的に言えば、正に座敷わらしのような感覚でしょうか?
ラスト2回で、クレイのトラウマがどこまで解消されていくのかがとても気になります。
シーズン2第12話の感想はコチラ
『13の理由』はNetflixで観賞できます。