マリブのブログ

ミネルヴァの梟は迫り来る黄昏に飛び立つ

Netflix『13の理由』シーズン4第5話の私的な感想―クレイの初めての夜―(ネタバレあり)

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13 Reasons Why Final Season Episode5/2020~(アメリカ)
製作総指揮:セレーナ・ゴメス
出演:ディラン・ミネット、ジャスティン・プレンティス、アリーシャ・ボー、デレク・ルーク、グレース・サイフ、ブレンダ・ストロング他

 死が身近にある者

ファイナルシーズンを迎えた『13の理由』を見て、そのアメリカナイズされた高校生活に実感の湧く視聴者は、いったいどれくらいいるんだろう?

シニアキャンプやダンパ(死語w)の様子、或いはその日常に溢れる大麻やヘロインの実態を見せられても、ここら辺は大分パーソナルな本物の高校生の私生活の話なので、スポイルされた日本人には若干想像しづらい。

 

アメリカは自由を重んじると共に、過剰な程自己防衛本能が強い国でもある。

 

自殺者や殺人事件が後を絶たない架空のリバティー高に、金属探知機や監視カメラ、更には保安官が校内を歩き回る様子も、銃という凶器を身近に持つからこその、精一杯の自衛手段。

初心でナイーヴながら、その日を生き抜く事に精一杯の十代の心を覗き見れない大人は、そうして彼らを雁字搦めに縛ってゆく。。

このアフターコロナの世界にそっくりな日常で、学生達はどうやってその溜め込んだストレスを発散するのだろう?

今回は、そんな日本よりもずっと死が身近にあるアメリカの若者が、ちょっとハメを外し過ぎるそのリアルな現状に、ピンスポットで焦点を当てたエピソードだ。

シーズン4第4話の感想はコチラ

 

以下、『13の理由』シーズン4第5話のネタバレを含んだ上での感想です。

まだご覧になってない方はご注意下さい。

 

 

 

 

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 ハウスパーティー(あらすじ)

一心不乱にブライスの死んだふ頭迄、ランニングをしているクレイ。
その彼の動向に不安を感じた両親は、ジャスティンも含めた二人に薬物検査を受けさせると・・
陽性反応の出たリトマス紙を見詰め、罪の擦り付けあいをするクレイとジャスティン。
やがてグラウンドを受けた二人は、その口論の途中で、親の監視の目が以前よりも鋭くなっている事に気づき始める。。

やるせない感情の込み上げるジャスティンは、アメフト部のコーチの元へ。
彼は涙ながらに、自分がクレイの家族に信用されていない事を訴える・・

ビーチャーの家で行うはずだったパーティーが親達にバレて中止になり、生徒達の情報が親に筒抜けになっている事を確信するジェシカ。
彼女は仲間を招集し、その真偽を確かめる為、クレイはサイラスの元へ。。
その夜、校内の監視カメラは、何者かの手に寄って壊される。。。

カウンセラーの前でも、身の潔白を声高に主張するクレイ。
その様子を見たカウンセラーは、クレイが薬物使用とは別の後ろめたさを抱え持っている事を察し始める・・

サイラス等の助力によって、親の目を盗んでのホームパーティーを開催させる事に成功するクレイ達。
ウィンストンは一気飲みゲームでジェシカに挑戦し、クレイはサイラス達とボングを回し合い、大麻で束の間の休息を過ごす。
その様子を見つけたジャスティンは、クレイにきつく忠告を促すものの、逆ギレする彼の心はそこに在らず。。

やがてエステラを壇上に挙げ、ディエゴがモンティーへの献杯のスピーチを始める。
ふと、クレイ達の周りに張り詰める緊張感。
険しい表情を崩せないジェシカは、そこでモンティーの幻覚を見る。。

大麻入りクッキーをつまみながら、チャーリーの身の上話に耳を傾けるアレックス。
その高揚感の中、アレックスはチャーリーの秘めた孤独を感じ取り・・

ザックから口説きの言葉を伝授されたクレイは、物陰から自分を見詰る女子の元へ。
ヴァレリーと名乗るその彼女と意気投合したクレイは、やがてとうとう念願の初体験を済ませる事に・・・

 

タイラーをセコンドに付けたトニーは、保安官に勧められたボクシングのリーグ戦へ。
劣勢の中、駆けつけたケイレブのアドバイスもあり、彼は辛くも初勝利を収める。

 

ピアノを弾き語るザックの元へは、久しぶりにクロエが顔を見せにくる。
その愛おしい表情に、思わずキスをするザック。
けれど、彼女に新しい彼氏がいる事を知ったザックは、その思いつめた気持ちをクロエに告げる間もなく、恋に破れる。。

無神経なクレイの態度に、ジャスティンは酒に溺れる。
やがてやってきたジェシカに、実母からの連絡がきている事を伝える、その彼のやりきれない表情。

タイミング悪くやってきたヴァレリーの元カレと殴り合いになるクレイは、威嚇するように周りを恫喝し始める。
やがてその彼の焦る様子を察知したウィンストンは、エステラとディエゴに自分とモンティーとの複雑な関係を打ち明ける事を決意。

 

ザックとの賭けに勝利したクレイは、彼の運転で国道を走り抜ける。
童貞を卒業した解放感から、次第にその気持ちが昂っていくクレイ。
彼は、ザックの制止する言葉も全く耳に入らずに、アウディのスピードを徐に上げて、ガードレールを飛び越える・・・

 

 

 

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・・・マジ!?サイラス。。未だに、ケータイよりemailが主流な自分はガラパコス・・・?

同ジャンルのはみ出し者だと思ってた彼に言われた台詞が強烈過ぎて、そのショックから当分立ち直れそうにありません。。。

 

ハッパとザックの力を借りて、いよいよ等々ようやく童貞を卒業できたクレイが、本当の母親の事を言い出せないジャスティンにあまりに辛く当たる様子を見て、彼を素直に応援できる視聴者ってまだいるんでしょーか?

元々、主役のクセにあまり好感度のあるキャラじゃないと言えど、そのセックスで自信をつけて傍若無人に振る舞う様子は、ジェシカをレイプした頃のブライスに全くもって瓜二つ。。

無神経にディエゴを誘って、ジャスティンの働くモネにやってくるジェシカも含め、どーしてこーも若い子って他人の気持ちがわかんないんでしょう?

まだ半分のエピソードだから、ラストのカークラッシュで誰かが死ぬ事はないにしても、そろそろサイコパス過ぎるクレイを本気で嫌いになりそうで、正直困ってます(^^;

 

そんな好き勝手に振舞うメインキャスト達はほっといて、個人的には誰あろう酒浸りのザックに、今回は一番感情移入できるエピソードだったな。。

渋く低い声でお茶らける彼は、これまでやさぐれ始めた本当の理由が、実のトコロよくわかりませんでしたが、まさか、クロエに片思いしてたなんて。。。

これまでの経緯で恋に落ちちゃうのはしょうがないにしても、クロエの元カレのブライスを死に至らしめる原因を作ったのは、やっぱりザックだもんな。。

その、複雑なキモチをグッと堪えてきた彼を思うと、もうたまらなく切なくなる!

ついでに、その気持ちを無言で伝えた瞬間にフラれるってシチュエーションも、なんだか、昔の自分の事を思い出してしまいそうな・・・w

 

傷心のアレックスは、ウィンストンよりチャーリーの方が合ってる気がするな。。

美少年キャラが二人かぶると、どうしても昔の薔薇族に見えてきちゃうしw

 

子供を信用できない親達の監視の目が、露骨に増えてきたエピソードでしたが、その息苦しさが若者を更に追い詰める事に、大人達は何時になったら気づけるんでしょう?

ファイナルシーズン第6話の感想はコチラ

www.mariblog.jp

 

『13の理由』は、Netflixで鑑賞できます。

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