マリブのブログ

ミネルヴァの梟は迫り来る黄昏に飛び立つ

映画『四月物語』の私的な感想―春に見たい、学生時代の風景―

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四月物語/1998(日本)/67分
監督:岩井 俊二
主演:松 たか子/田辺 誠一

 大学一年生の「松たか子」

・・とりあえず春先は、コレを観ておくとなんだか心が少し温かくなります。

 

この作品には日本人が感じる「春」がすべて詰まっている気がするんですが。

 

久しぶりに見返して見たら、無駄に大物俳優がゲスト出演しているのにもちょっとびっくり。

劇中の映画館で流れる戦国時代劇にはカールスモーキー石井と伊武雅刀。

江口洋介が演じる「信長」は初めて観ました。

冒頭では松たか子演じる主人公のリアル家族が全員出演。

ニ代目 松本白鸚襲名前の松本幸四郎や、その幸四郎の後を継いだ市川染五郎は当たり前ですが随分若々しいです。

 

『スワロウテイル』『Love letter』に次いで紹介する三本目の岩井俊二映画なのでもうバレてるでしょうが・・

 

岩井俊二フリークの自分にとっては、この映画はちょっと彼らしくない映画なような気もします。

彼の手掛ける作品には大体、病んだ人物か儚い人物が必ず一人は登場するんですが、この映画は全くの王道青春映画というか、ドキュメンタリーのようなタッチで大学一年生の「松たか子」をひたすら描写し続けます。

強いて儚いモノと言えば、春風に舞い散る、そのものくらいでしょうか?
 

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 ―――四月の桜舞う入学式。
北海道の旭川から東京の大学へと進学した松たか子演じる卯月。
大学の初めての顔合わせでちょっと浮いてしまった彼女には、どうしてもこの街に来たい理由があった。
新天地での生活にはまだ中々馴染めない中、彼女は憧れの先輩がバイトをしている本屋に通い続けるが・・

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 春の雨音

・・正直に言うと、この映画は何か特記するようなことは何もありません。

わずか67分という短編映画のようなこの作品は、何も考えずただPVのように見流す事をおすすめします。

それくらい、ふんわりと頬を撫でる春風の様な映像。

あえて言えば、

この映画は今では当たり前のようになったdts(デジタル・シアター・システムズ)を邦画で初めて取り入れた作品だというコト。

岩井俊二が当時画期的だったこの音響システムを採用してまで伝えたかったのは、劇中最後に振り出す雨音

小雨から次第に大雨へと変わっていく辺りの臨場感を、まるで春の嵐の様な純粋で健気な少女の張り裂けそうな思いと上手くリンクさせています。

 

アラフォーにとっては、、

そうした随所に溢れるリアルだけどちょっと幻想的な、日本人特有の「春」の匂い。

そして淡く切ない学生時代の頃の思い出が蘇ってきます。

 

そしてこれから新学期、新社会人を迎える人たちにも、

今ではTBSドラマ『カルテット』等ですっかりコミカルで小悪魔の様なイメージが定着してきた俳優松たか子が、まだ初々しい女子大生だった頃を等身大の目線で愛らしく感じられる気がします。

しかし、

松たか子演じる主人公の卯月が、大学で入るサークルで部長が熱弁する『リバー・ランズ・スルー・イット』の映画の話のくだりは、若い人たちにはきっとよく伝わりませんよね?

なので例えるなら、、

映画『セッション』の主人公ニーマン扮するマイルズ・テラーが、

「あれ確か、演奏の最後で彼、燃え尽きて死んじゃうんですよね?」

みたいな感覚。。

 

え・・?

 

それも古いし、意味がよく分からない・・?

 

・・スイマセン。。

自分には上手く伝えられそうにないので、青春時代のちょっとした背伸びとだけ言わせて下さい。。。

 

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