The Mist/2007(アメリカ)/125分
監督: フランク・ダラボン
出演: トーマス・ジェーン、マーシャ・ゲイ・ハーデン、ローリー・ホールデン、トビー・ジョーンズ他
衝撃的なラストシーン。トラウマになる異色SFホラー
フランク・ダラボンの作品は殆ど見てきましたが、彼は基本的に大どんでん返しが好きなんでしょうか・・?
『ショーシャンクの空に』や『グリーンマイル』等で感動的なラストシーンを作り上げてきた彼も、実は元々はホラー映画の脚本家。
古くは『キャリー』、『スタンド・バイ・ミー』等でお馴染みのスティーヴン・キング原作の映画化を多数手がけており、この作品で3度目となる彼のその監督作品は、それまでの衝撃的な感動作品とはちょっと真逆の、衝撃的な問題作品として有名です。
・・いいんでしょうか?このラストシーン。。。
余りにも残酷な終わり方で、鬱になりそうですが・・。
その後彼によって製作される『ウォーキングデッド』(以下TWD)のアポカリプスな世界観は、きっとこの映画からヒントを得て作られたモノなんでしょうが、私的にはそのインパクトは今まで見てきた様々な作品の中でも群を抜いて強烈です。
―――とある片田舎の一軒家。
イラストレーターとして生計を立てている主人公、デヴィッドは、嵐によって破壊された窓ガラスやボート小屋の修理の為、8歳になる息子を連れ街のスーパーへと向かう。
すると店外から鳴り響くサイレン音・・。
辺りはいきなり深い霧に覆われ、動揺の広がる店内。
やがて濃霧の中から現れた中年男性ダンが、霧の中にいる「何か」に襲われ店内へと逃げ込んでくる。
彼らはすぐ様店の正面ドアを閉じ、その「何か」に怯えながらも解決方法を模索してゆこうとするが・・
閉じ込められた人間達の群集心理
感想を述べる前にちょっと記述しておきたいのが、この作品に登場していたTWDのキャラクター達の面々。
今や最強戦士と化したキャロルも、この作品では当初のTWDのキャラクターそのままの、子供の安否に不安で一杯の中年主婦役を演じています。
TWDのシーズン2,3でそれぞれゾンビに噛まれ死んでしまったアンドレアとデールの名コンビも、この作品では中々しぶとく最後まで生き残り続けていきますが・・
ダン(デール)役のジェフリー・デマンは、フランク・ダラボン監督作品の常連らしく、その他様々な彼の映画にも出演しており、当時未だ名もなき俳優だったキャロル役のメリッサ・マクブライドはこの作品での演技の評価が高かったことにより、TWDへの出演が決まったとか・・
・・私的にどうしても紹介しておきたかっただけなので感想に戻りますが・・・
時空の歪みの濃霧からやってくる異形のクリーチャーとの格闘に興味が行きがちなこの作品ですが、その本当のテーマは、TWDと同じアポカリプスな世界に置いての群集心理。
しかし他の世紀末モノとの大きな違いは、この作品が武器を持たない純朴で閉鎖的な田舎の人々を題材にしている点です。
リックやモーガンの様に苦悩しながらサバイバルを始めるわけでもなく、ダリルのような頼れるアウトローもいない、本当に普通の人々が突然異世界に投げ込まれたら・・というテーマの基、彼らが陥ってゆくその現象が見物。
外国の田舎街に住まわれた経験がない方には分かりにくいかもしれませんが、アメリカ中西部から南部にかけてのキリスト教系プロテスタント文化の根深い地域には、独特の死生観があります。
いわゆるレッド・ステイツ。
難しいコトは割愛しますが、要するに保守的な傾向のある一部の田舎町には、敬虔な聖書主義に身を置く貧しい人達が多く存在するというコト。。
この映画はそんな人々の間に信じられてるヨハネの黙示録が実際に起きた場合、それが大衆心理の中で如何に狂気に発展してゆくのかを見事に捉えている作品でもあります。
TWDや『ミスト』の世界に置いても結局一番怖いのは、人間そのもの。
そしてその人間の最後の希望をも一瞬で絶望へと変えるラストシーンは、あまりに衝撃的過ぎて、ちょっと言葉が出てこないくらいの映画でした。
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