洋画
The Lobster/2015(ギリシャ・フランス・アイルランド・オランダ・イギリス)/118分 /独身者に付けつけられる究極の未来 / 独身者にこの手のディストピアを突きつけられるとちょっと卒倒してしまう。 テラハやバチェラージャパン等のリアリティドラマに…
Bohemian Rhapsody/2018(アメリカ)/135分 /グラムロック界を駆け抜けた伝説の男 /音楽に秘める可能性が、この作品にはすべて集約されている。 それは情動であり、希望であり、信念であり、愛情。 近頃の日本ではだいぶ首を傾げられてしまいそうな、そ…
Sicario/2015(アメリカ)/121分 /画になる俳優陣の存在感 /続編となる『ボーダーライン ソルジャーズ・デイ』の公開を明日に控え。再度見返して見た。 圧倒的にシュールな質感の中でも、 エミリー・ブラントとベニチオ・デル・トロの存在感は一際抜きん…
Searching/2018(アメリカ)/102分 /想像力を研ぎ澄ます新時代のサスペンスドラマ /この作品は映画館で観れて本当に正解だったと思う。 全編をPC画面上で完結させるという荒業をやってのけたこのサスペンスは、アラフォー世代の自分たちにとっては、コン…
Devil/2010(アメリカ)/80分 / M・ナイト・シャマランの世界観 /冒頭の数分を何気なく見流してしまうと、この映画の印象はガラッと変わってしまう。 クローズド・サークル・ミステリーの代名詞でもあるアガサクリスティーの「そして誰もいなくなった」…
Thelma/2017(ノルウェー)/116分 / 日本人のバイブル /結論から言うと宗教を題材にした映画は結構面白い。 『Mother!』や『コクソン』等の映画でキリスト教を大分批評してきた自分が言うのもなんだが、聖書は人間の核心の部分をついてくる。 それを自分…
Z for Zachariah/2015(アメリカ、スイス、アイスランド、ニュージーランド)/98分 / 日本人のバイブル /結論から言うと宗教を題材にした映画は結構面白い。 『Mother!』や『コクソン』等の映画でキリスト教を大分批評してきた自分が言うのもなんだが、…
Hold the Dark/2018(アメリカ)/125分 /エッジのききまくった厭世観 /ちょっとしたミステリー?スリラー映画?な感覚で自分の様に手を出してしまうと、激しく後悔する事になるだろう。 125分の長尺と物語の全体を覆う暗いムードだけでも落ち込んでいる…
La nuit a dévoré le monde/2018(フランス)/93分 / シュールなゾンビパンデミック /フランスらしい独特なシュールさが漂うゾンビ映画だ。 『ウォーキング・デッド』の再開を待ちきれなくて思わず借りてみたホラーだが、ただ襲ってくるだけじゃなくて、…
Hereditary/2018(アメリカ)/127分/悪魔の存在 /圧倒的な不気味さが漂う作品だ。 老婆の様な顔つきの無表情な少女。断面図的に切り取られる画の構図。 冒頭で死を迎えている老母の葬儀は、主人公である母の闇の儀式の始まりに過ぎない。 この映画の登場…
Léon/1994(フランス)/133分/ 不器用な愛情表現の示し方 /自分は昔からあまり恋愛映画を観れない。 きっとそれは、そこに真実の愛のカタチをみつける事が出来なかったからだろう。 それじゃ、真実の愛とはなんなのだろうか?
Sameblod/2016(スウェーデン、ノルウェー、デンマーク)/108分/ 赤色の象徴 /それにしても僻地に住む民族の衣装はどうして赤色が特徴的なのだろう? イヌイットまでいってしまうとその仕様は毛皮だが、モンゴル系・チベット系・ツングース系等の民族衣…
I AM THE PRETTY THING THAT LIVES IN THE HOUSE/2016(カナダ、アメリカ)/83分/ 幽霊の記憶 /「この映画は誰の為に作られた映画なんだろう?」 なんて疑問がアタマの中に木霊する。 冒頭のテロップで、 「ある家をくれたA・Pへ捧ぐ」 なんて詠ってし…
HOSTILE/2018(フランス)/83分 / 永遠の愛のカタチを模索するロマンス 久しぶりにじっくり考えさせられる映画を見た気がする。 ポスターにある主演のブリタニー・アッシュワースが抱きしめる異形の生物の正体は、勘のいい方なら案外直ぐに分かってしまう…
A Quiet Place/2018(アメリカ)/95分 /リアルな質感が揃った究極のサバイバル /円あって試写会で見せてもらったのだが、中々に斬新で秀逸なスリラー。 タイトルの“クワイエット・プレイス”を直訳すると“静かな場所”となるのだけれども、95分間殆ど音の…
Black Hollow Cage/2017(スペイン)/106分 /黒い箱の謎 /ここまで静かなサスペンス映画も珍しい。 カメラワークは恐ろしくゆったりとしていて、シンメトリックな構図や情緒的な風景描写は、疲れきった夜に観るにはあまりに危険すぎる。 劇中の音楽や効…
Tully/2018(アメリカ)/95分 / 女の現実から目を背けてきた男たちへ・・ /男はこの手の邦題をつけられると何だか無性にこっぱずかしくなってくる。 “タリーと私”までならなんとか・・ でも“秘密”というワードが添えられた瞬間から、その映画に甘い飽和…
À l'intérieur/2007(フランス) /スリラー映画を越えた鮮血のフレンチホラー /この映画だけは出産を控えた女性は絶対見ない様にして下さい。 ゆったりとして情緒的な映像美の裏に流れる陰鬱な不協和音は、妊婦の持つ不安をストレートに刺激していきます。…
Who Am I - Kein System ist sicher/2015(ドイツ) / ニューウェーブなサスペンス /トリッキーでスタイリッシュなドイツ生まれの極上サスペンスです。 邦題の語源は、劇中の天才ハッカー役の主人公ベンヤミンが仲間に付けたグループ名称“Clowns Laughing…
Berlin Syndrome/2017(オーストラリア) / 絶叫クウィーン・テリーサ・パーマーの新境地 /監禁モノの映画にしては何だかあまりに切なすぎてちょっと泣けてきます。 『ウォーム・ボディーズ』からのゾンビにも愛される可愛らしさからか、テリーサ・パーマ…
Empire of the Sun/1987(アメリカ) / 喪失した少年の心 /長崎の原爆の日に哀悼の意を込めて。 私的な戦争映画のオールタイムベストです。 それまでヒットメーカーだったスピルバーグのターニングポイントとなったこの映画は、同年公開された『ラストエ…
Wind River/2017(アメリカ) / 静かに訴え続ける民族差別 /キャスリン・ビグローが『デトロイト』で暴いた黒人差別の実態を“動”とするならば、正にその対となるのがこの作品。 ドゥニ・ヴィルヌーヴの『ボーダーライン』で脚本家を務めていたテイラー・…
A Ghost Story/2017(アメリカ) / 魂の消滅 /2018年に観た映画の中では、間違いなくNo.1のお気に入りになった作品。 タイムラプス効果やCG処理等を一切行わず、霊魂の立場から見せる世界という発想で漂うような時の流れを見事に実現させたその表現技法…
Nocturnal Animals/2016(アメリカ) / 映像トリックに隠された真実 /ちょっと胸が苦しくなる映画です。 観た方の感想が真っ二つに分かれるこのミステリーは、デザイナー上がりのトム・フォードらしく作中の随所にアーティスティックな画が散りばめられて…
Monsters/2010(イギリス) /エイリアンの襲来後の世界を舞台にしたこの作品の根幹は完全なロードムービー。 ふたりの男女が汚染地帯と化したメキシコからアメリカの国境を越えるまでを描いていますが、邦題の地球外生命体は殆どはっきりと現れてきません。…
The Shallows/2016(アメリカ) / 絶景の海とサメの恐怖とのコントラスト 夏×海×映画と言えば定番なのがサメ。 その中でもこの映画は『ジョーズ』からの恐怖と『オープンウォーター』からの孤独感をしっかり継承し、随分丁寧に練り上げられたシチュエーシ…
The Fog/1980(アメリカ) / 見えない恐怖を最大限に生かしたカーペンターが放つもう一つの名作ホラー 前回の、最恐ゾンビ&オカルトホラー映画10選には入れていませんでしたが、 「『ザ・フォッグ』を名作ホラーに入れないなんてありえない!」 と言う厳…
THE 15:17 TO PARIS/2017(アメリカ) /イーストウッドの更なる試み 斬新な試みの中にもどこか懐かしさを感じさせる作品でした。 誇張された演出もなく殆どドキュメントの様に、2015年にフランスで実際に起きたタリス銃乱射事件の舞台裏を、あろうことか、…
Detroit/2017(アメリカ) 『タイタニック』や『アバター』等で知られる巨匠・ジェームス・キャメロンの前妻にして、80年代にはGAPの広告塔まで務めた高身長のアメリカを代表する女流監督と言えばこの作品を手掛けたキャスリン・ビグロー。 余りにエネルギ…
Saving Private Ryan/1998(アメリカ) ・・この時期になると、毎年この映画の事を思い出します。 王道中の王道戦争映画ですが、一度は誰もが見るべき戦争の現実。 アメリカエンターテインメント・ウィークリー誌が、史上最も愛国的なアメリカ映画ベスト1…